「インテリジェンス大国への道」を推薦します
第30代航空幕僚長、第5代情報本部長
外薗健一朗
この度、畏友丸谷元人氏が「インテリジェンス大国への道」と題する本を上梓されました。
丸谷氏については、著書、講演、その他の情報発信などを通じてご存知の方が多いと思います。また、私が顧問を務める日本戦略研究フォーラムの政策提言委員でもあります。丸谷氏は、危機管理コンサルタントとして活動する一方で、ジャーナリストとして、国際情勢、日本の安全保障、インテリジェンスなどの分野で活発に発信を続けておられます。
私自身にとっては、2013年7月に丸谷氏が出版された『日本の南洋戦略』(ハート出版)という本を読んで大きな感銘を受け、本人に面会を申し込んで意見交換して以来の尊敬する同志です。また、2017年3月には、防大同窓会総会で「在外邦人救出に立ちはだかる課題」と題してご講演をいただき、防衛省でも海外情勢に関する講演をおこなっておられます。
この本の主題は、我が国の国家としての情報能力を向上させるためには、①スパイ防止法の制定、②対日心理戦への対応、③国家としての対外情報機関の設置が必要であり、その前提として憲法の改正が必須であるという提言にあります。そして、これらの提言に至る前提として、これまでの世界と日本の歴史の中で実在したインテリジェンスに係る数々の事例を紹介しています。
これらの事例を通じて、世界各国の情報戦に対する取り組みの厳しさと奥深さを感じるでしょう。また、戦前の我が国のインテリジェンスに対する取り組みの真剣さとレベルの高さは刮目に値することに気付かれることと思います。
現在と将来の我が国の安全保障と情報能力育成に大きな力と責任を有する幹部自衛官の皆さんに是非この本を手に取って読んでいただきたく、丸谷氏に本の寄贈をお願いしたところ、ご快諾いただきました。
一人でも多くの読者の皆さんに届くことを願いつつ、感謝と期待をもって本書を推薦させていただきます。
外薗健一朗略歴:
•1974年(昭和49年)3月:防衛大学校卒業(第18期)
•1988年(昭和63年)7月:2等空佐
•1992年(平成4年)6月:1等空佐、在ベルギー日本国大使館付防衛駐在官
•1995年(平成7年)8月1日:航空幕僚監部人事教育部補任課人事第1班長
•1997年(平成9年)3月26日:第3航空団基地業務群司令
•1998年(平成10年)7月1日:航空幕僚監部調査部調査課長
•1999年(平成11年)7月9日:空将補、航空自衛隊幹部学校副校長
•2000年(平成12年)10月10日:北部航空警戒管制団司令
•2002年(平成14年)3月22日:航空自衛隊第5術科学校長
•2003年(平成15年)3月27日:統合幕僚会議事務局第5幕僚室長
•2005年(平成17年)7月28日:空将に昇任、第32代 中部航空方面隊司令官
•2007年(平成19年)7月3日:第37代 統合幕僚学校長に就任
•2008年(平成20年) 3月26日:第5代 情報本部長に就任
•2008年(平成20年)11月7日:第30代 航空幕僚長に就任
•2010年(平成22年)12月24日:辞任
•2021年(令和3年)11月3日:瑞宝重光章受章[1][2]
栄典:
•リージョン・オブ・メリット・コマンダー(司令官級勲功章) - 2010年(平成22年)
•瑞宝重光章 - 2021年(令和3年)11月3日[2]