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法政大学現代法研究所叢書 39

日ロ関係 歴史と現代

編著:下斗米 伸夫

紙版

内容紹介

「日露戦争は回避できた」。ロシアの日本学の権威K.サルキソフや抑留論の富田武など、法政大学を拠点とした5カ国の現代史研究者による最新・気鋭の研究成果。ウズベキスタン=英国からみた抑留問題、沖縄と北方領土をめぐる米ソ日関係、米ロの視点からするシベリア開発、そして中国のプリズムから見る日中ロの三角関係など、従来のタブーを破る共同研究が新時代の相互表象を提示する。

目次

序文(下斗米伸夫)

第一章 江戸・明治期における日本の対露イメージ(黒沢文貴)
はじめに
一 大津事件までのロシアイメージ
二 日露戦争までのロシアイメージ
おわりに

第二章 明治維新前後生まれの日本知識人がイメージしたロシア
──二葉亭四迷と内田良平の場合(木村崇)
はじめに
一 二葉亭四迷にとってのロシア
二 内田良平にとってのロシア
まとめにかえて

第三章 伊藤博文のペテルブルグ訪問
(一九〇一年一一 ─ 一二月)(コンスタンチン・サルキソフ)
はじめに
一 出発
二 入露
三 日ロ交渉
四 新協定草案
五 挫折

第四章 冷戦初期日本における菅季治の犠牲
──赤狩りとソ連からの引揚者(シェルゾッド・ムミノフ)
はじめに
一 歴史と記憶に見る抑留
二 奴隷の王国──引揚者を通して語られるソ連
三 「徳田要請問題」と日本における冷戦の最初の犠牲
おわりに

第五章 シベリア抑留の論争問題と論点整理(富田武)
はじめに
一 捕虜か、抑留者か
二 ソ連はいつ捕虜の領内連行を決定したか
三 北朝鮮残留日本人と捕虜
四 南樺太抑留と大陸流刑
五 抑留者、抑留死亡者、帰還者

第六章 五五年体制と領土
──沖縄・小笠原と北方四島をめぐって(河野康子)
はじめに
一 冷戦下の領土──日ソ関係と日米関係
二 フルシチョフ演説(一九六〇年)からケネディ声明(一九六二年)へ
三 冷戦の変容と領土
おわりに

第七章 一九七〇年代の日ソ・エネルギー協力における政治要因(スヴェトラーナ・ヴァシリューク)
はじめに
一 日本のエネルギーに関する組織的枠組みの概観
二 ソ連のエネルギーに関する組織的枠組みの概観
三 一九七〇年代の二国間エネルギー協力の補完性とダイナミックス
四 サハリン石油ガス開発プロジェクト
五 ヤクーチャガス・チュメニ石油プロジェクト
おわりに

第八章 日ソ・ロ関係と中国──その史的法則とメカニズム(趙宏偉)
はじめに
一 戦後東アジア冷戦秩序の形成──ソ中同盟対日米同盟(一九四九─一九六六)
二 東アジア冷戦の雪溶け──日米中の反ソ共同戦線(一九七二─一九八九)
三 ポスト冷戦期における日ロ中の対等三角関係(一九九〇─二〇一一)
四 安倍・プーチン友情外交対中ロ「特殊関係」(二〇一二─)

著者略歴

編著:下斗米 伸夫
法政大学法学部教授

ISBN:9784588630392
出版社:法政大学出版局
判型:A5
ページ数:210ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2015年03月
発売日:2015年03月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS