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法政大学現代法研究所叢書 34

市民社会と立憲主義

編著:中野 勝郎

紙版

内容紹介

国家と区別される領域としての市民社会は、どのように歴史的に形成され、今日いかなる役割を果たしているのか。権力を制約する原理としての立憲主義の来歴と、その現代的意義は何か。市場経済のグローバル化のなかで、政治的なものの再定義が迫られている。規範的な政治哲学と実証的な現状分析とを組み合わせ、政治の現在について多面的に検討する共同研究の成果。

目次

 第1部 主権・立憲主義

第1章 憲法制定権力と主権──ネグリ、シュミット、アレント (高橋和則)

第2章 護憲論者ジェイムズ・マディソン (中野勝郎)

第3章 尾高朝雄の現象学的一般国家学 (細井 保)

第4章 日本国憲法前文は誰が書いたか──行為遂行性と事実確認性の間 (鵜飼健史)

第5章 フィリピンにおける直接民主主義制度 (小林丈人)

 第2部 福祉国家・自由主義

第6章 自由化原理の適用をめぐる問題──チュルゴーとネッケル、二人の偽政者像を中心に (安藤裕介)

第7章 近代における「個人」あるいは「個人主義」の思想的意味について──新自由主義的「個人主義」批判ならびにアントニオ・グラムシの「個人主義」認識 (谷本純一)

第8章 D・G・グリーンの『市民社会の再創出』──一九一一年を転換点と位置づける福祉史観を中心に (山本 卓)

第9章 敵対性はどこにあるのか──シャンタル・ムフ『政治的なものについて』をめぐって (杉田 敦)

 第3部 社会・倫理

第10章 共感の機能と諸問題 (蜂谷 徹)

第11章 貨幣と社会性──E・レヴィナスにおける犠牲の論理 (高浦 一)

第12章 社会的希望としてのナショナル・アイデンティティ──ガッサン・ハージの議論を基点に (栗林 大)

第13章 近代期朝鮮の知識人における儒教とキリスト教の相克そして超克──丸山眞男の国民主義論議との比較的視座をめぐって (崔 先鎬)

第14章 国際政治の「規範化」と国内政治の「脱規範化」? (川崎 修)

 あとがき

著者略歴

編著:中野 勝郎
法政大学法学部政治学科教授

ISBN:9784588630347
出版社:法政大学出版局
判型:A5
ページ数:310ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2012年03月
発売日:2012年03月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDTS