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サピエンティア 65

民主主義に未来はあるのか?

編:山崎 望

紙版

内容紹介

アメリカやヨーロッパをはじめ世界各地にポピュリズムが拡がり、中国やロシアでは権威主義体制が強まる現在、民主主義があらためて問われている。自由民主主義ははたして最適な制度なのか、そして持続可能なのだろうか。政治理論、政治思想史、比較政治、国際政治史、社会学の気鋭の研究者10名が、それぞれの視点から民主主義の未来について構想する。

目次

序論 民主主義の危機をめぐる言説圏の系譜学【山崎 望】

第I部 自由民主主義の実像

第1章 エリート主義的民主主義論の成立過程について【早川 誠】

第2章 戦後日本の政治学と「二つの民主主義」
―一九六〇年代前半を中心に【森 政稔】

第II部 自由民主主義の危機と代替構想(1)――形骸化をめぐって

第3章 ポストナショナルな経済危機と民主主義 ―ヨーロッパ政治の縮減・再生・拡散【小川有美】

第4章 グローバル・ガバナンスにおける非国家主体の正統性と政治的CSR【松尾隆佑】

第5章 「民主主義の危機」を超える民主主義の未来 ―私たちのあいだで紡ぎだす正当化実践の価値と制度【内田 智】

第III部 自由民主主義の危機と代替構想(2)――対立をめぐって

第6章 現代ドイツの右翼ポピュリズム ―その歴史と世界観【板橋拓己】

第7章 代表制民主主義の危機と戦闘的民主主義【大竹弘二】

第8章 アゴニズムを制度化する
―熟議/闘技論争の第二ラウンドのために【山本 圭】

第IV部 自由民主主義と代表をめぐるアポリア――政治/社会運動をめぐって

第9章 自由民主主義とBLM/右派運動
―ベンヤミンの暴力論の視座から【山崎 望】

第10章 現代のアクティヴィズムにおいて「代表」は機能しているのか
―「代表」しているのは誰なのか、あるいは「代表」されないのは誰なのか【富永京子】

あとがき

著者略歴

編:山崎 望
序論・第9章
駒澤大学法学部教授(現代政治理論)
主な業績:『来るべきデモクラシー――暴力と排除に抗して』、有信堂、2012年、『ポスト代表制の政治学――デモクラシーの危機に抗して』(共編著)ナカニシヤ出版、2015年、『奇妙なナショナリズムの時代――排外主義に抗して』(共編著)、『時政学への挑戦――政治研究の時間論的転回』(共編著)ミネルヴァ書房、2021年、「コロナ危機は自由民主主義を変えたのか?」宮本太郎編『自助社会を終わらせる』岩波書店、2022年、「21世紀に自由民主主義は生き残れるか――正統性の移行と再配置される暴力」日本国際政治学会編『国際政治』194号、2018年など。

ISBN:9784588603655
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:312ページ
価格:3200円(本体)
発行年月日:2022年07月
発売日:2022年07月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP