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サピエンティア 58

選挙制を疑う

著:ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック
訳:岡﨑 晴輝
訳:ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク

紙版

内容紹介

減り続ける投票率、金や人脈がものを言う選挙戦。有力者の声しか反映されない政治に人々は背を向けるばかり。その解決策として、くじ引きで議員を選ぼうと訴えた本書は、欧米でベストセラーとなった。じっさい多くの国では陪審制や裁判員制度が実施され、アイスランドではくじで選ばれた市民が憲法改正案を策定している。多数の実例に基づく著者の主張に、読者は深く共鳴することだろう。

目次

第1章 症状
 第一節 希求と疑念──民主主義の逆説
 第二節 正統性の危機──支持が低下している
 第三節 効率性の危機──活力が低下している
第2章 診断
 第一節 責任は政治家にある──ポピュリズムの診断
 第二節 責任は民主主義にある──テクノクラシーの診断
 第三節 責任は代議制民主主義にある──直接民主主義の診断
 第四節 責任は選挙型代議制民主主義にある──新しい診断
第3章 病因
 第一節 民主主義的手続き──抽選制(古代とルネサンス)
 第二節 貴族主義的手続き──選挙制(一八世紀)
 第三節 選挙制の民主主義化──擬制の成立(一九世紀―二〇世紀)
第4章 治療
 第一節 抽選制の復活──熟議民主主義(二〇世紀末)
 第二節 民主主義の刷新の実践──各国の探究(二〇〇四─二〇一三年)
 第三節 民主主義の刷新の将来──抽選制議会
 第四節 抽選制に基づいた民主主義の青写真
 第五節 二重代議制の暫定的提案
結論

あとがき/謝辞
注/参考文献
訳者解題
索引

著者略歴

著:ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック
(David Van Reybrouck)
1971年,ベルギー王国生まれ。ルーヴェン・カトリック大学とケンブリッジ大学で考古学・哲学を専攻し,ライデン大学で博士号を取得。現在,作家として活躍し,ヨーロッパを代表する知識人の一人と目されている。
本書のほか,Congo. Een geschiedenis (De Bezige Bij, 2010) や Pleidooi voor populisme (De Bezige Bij, 2011) といった多数の作品を世に送りだし,数々の賞を獲得している。
ウェブサイト http://www.davidvanreybrouck.be/
訳:岡﨑 晴輝
1968年,茨城県生まれ。法政大学と国際基督教大学で政治学を専攻し,国際基督教大学で博士号を取得。現在,九州大学大学院法学研究院教授,放送大学客員教授。専門は政治理論・比較政治学。
主な著書に『与えあいのデモクラシー』(勁草書房,2004年)や『市民自治の知識と実践』(放送大学教育振興会,2015年,共編)などがある。また,主な共訳書に,キムリッカ『新版 現代政治理論』(日本経済評論社,2005年)やキムリッカ『土着語の政治』(法政大学出版局,2013年)などがある。
訳:ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク
(Dimitri Vanoverbeke)
1969年,ベルギー王国生まれ。ルーヴェン・カトリック大学で日本学を専攻し,東京大学に留学後,ルーヴェン・カトリック大学で博士号を取得。現在,ルーヴェン・カトリック大学文学部教授。専門は法社会学,日本研究。
主な著書に Community and State in the Japanese Farm Village (Leuven University Press, 2003) や Juries in the Japanese Legal System (Routledge, 2015) などがある。

ISBN:9784588603587
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:250ページ
価格:3400円(本体)
発行年月日:2019年04月
発売日:2019年04月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDTS