ホッテントット・ヴィーナス
ある物語
著:バーバラ・チェイス=リボウ
監訳:井野瀬 久美惠
訳:安保 永子
内容紹介
19世紀初頭、南アフリカからロンドン、パリに連れてこられ、「ホッテントット・ヴィーナス」の呼び名で見世物にされたサラ・バールトマン。その死後は、医学のためと称して解剖され、パリの人類博物館に展示・保存された。当時、科学の名のもとに、黒人である彼女に向けられた偏見に満ちたまなざしとは? 本書は、実在したアフリカ女性を主人公にしたポストコロニアル文学の傑作。
目次
主人公覚書
第Ⅰ部 一八〇六年、南アフリカ、ケープタウン
第1章 きょうは、見世物興行(フリークショー)はない……
第2章 この物語を始めるなら……
第3章 翌日、私は村を離れ……
第4章 シーザー農園は谷あいにあった……
第5章 そのホッテントットのことを初めて聞いたのは……
第6章 私はエクセター号のデッキに立っていた……
第Ⅱ部 一八一〇年、イギリス、ロンドン
第7章 私はセンセーションを巻き起こした……
第8章 展示場所を見つけてきたのはヘンドリック様で……
第9章 私は入り口に掲げられた看板を見あげた……
第10章 ウェダバーン牧師は大法官法廷に訴えた……
第11章 私が裁判所に姿を現すと……
第12章 親愛なるカサンドラ……
第13章 裁判は私をいっそう有名にし……
第14章 では、これがいま私の四分の一を所有している男なんだわ……
第15章 夫はアフリカに帰ると約束していたが……
第Ⅲ部 一八一四年、フランス、パリ
第16章 拝啓、ジョルジュ・レオポルド・キュヴィエ男爵……
第17章 目がくらむようなまぶしい日差しは……
第18章 私は、ヴィーナスの視線が私に注がれているのを感じた……
第19章 最初、私は平気だった……
第20章 クール・ド・フォンテーヌに戻ると……
第21章 いつものように白人が勝った……
第22章 私は赤いグローブ皮を選んだ……
第23章 ティーダマン様が植物園を横切って……
第Ⅳ部 二〇〇二年、南アフリカ、ケープタウン
エピローグ
謝辞
解題 サラ・バートルマンは眠れない──ポストコロニアルにおける歴史小説の試み
ISBN:9784588490262
。出版社:法政大学出版局
。判型:4-6
。ページ数:496ページ
。定価:3800円(本体)
。発行年月日:2012年05月
。発売日:2012年05月18日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB。