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中世の音楽世界

テキスト、音、図像による新たな体験

著:ベルンハルト・モールバッハ
訳:井本 二

紙版

内容紹介

中世音楽を現代的感覚のみで聴くこと、理解することの不毛性と危うさ、つまらなさを指摘し、音楽における「個人性」の認識過程、イングランドやスペインの状況、ギリシャ思想との関連など、中世社会の全体を俯瞰する視野のもとに展開する音楽文化史。その対象は教会音楽のみならず、俗謡や恋愛歌の数々におよぶ。詳細なディスコグラフィーと、51点の楽譜および演奏を収録したCDを付す。

目次

0 古楽による新しい音楽体験  1
1 中世音楽は存在するか  13
2 中世音楽の現在 ── 過去の芸術の再構成  25
3 世界の音楽的秩序 ── 音楽哲学  37
4 グレゴリオ聖歌と一〇〇〇年ころの音楽の文字・記号化  59
5 グレゴリオ聖歌のさまざまなジャンルと形式  73
6 トロープスとセクウェンツ ── 宗教詩  87
7 ビンゲンのヒルデガルト  101
8 初期のオルガヌム  117
9 トゥルバドゥール、トゥルヴェール、ミンネゼンガー  131
10 一二〇〇年頃のパリ・ノートル・ダムの音楽  151
11 アルス・アンティクァ ── 一三世紀の古芸術  173
12 ヨハネス・デ・グロケオと一三〇〇年ころのパリの音楽  187
13 楽  器  205
14 器楽音楽  221
15 アルス・ノヴァ ── 一四世紀の新音楽  237
16 ギョーム・ド・マショーと一四世紀のシャンソン  253
17 アルス・スブティリオール ── 中世の秋のアヴァンギャルド  281
18 トレチェント ── 一四世紀のイタリア音楽  297
19 一一五〇−一三五〇年ころのイベリア音楽  317
20 イングランドの音楽  341
 付録  357
 付録CD-ROMの使い方について  389
 訳者あとがき  415
 索  引  (i)
 原  注  (v)

著者略歴

著:ベルンハルト・モールバッハ
1949年,ドイツ,ラインラントプファルツの生まれ.ザールブリュッケン大学で音楽学,芸術史などを学ぶ.ザールラントなどで音楽関係の教職の後,1979年以降,ラジオ放送を通して古音楽の紹介,解説を続けている.放送局SFB (Sender Freies Berlin) =今日のRBB(Rundfunk Berlin Brandenburg)での番組は今日までに約6000回に及ぶ.その結実の一つが本書および,『ルネサンスの音楽世界』『バロックの音楽世界』(いずれもベーレンライター社から既刊)の三部作となっている.放送の他,ライブなどを通して,古音楽の復活,再生だけでなく,それを今日に「生かす」ことに心を注いでいる.

付属物

CD

ISBN:9784588420122
出版社:法政大学出版局
判型:A5
ページ数:442ページ
定価:7500円(本体)
発行年月日:2012年06月
発売日:2012年06月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AVM