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リクール読本

編:鹿島 徹
編:越門 勝彦
編:川口 茂雄

紙版

内容紹介

20世紀後半の哲学界にあって、実存哲学や精神分析、構造主義や分析哲学との幅広い思想的交渉を保ちつつ、他に類を見ない独自の地歩を築いたポール・リクール。歴史=物語の解釈学で知られる第一級の哲学者が残した膨大な仕事をテーマごとに掘り下げ、その驚くべき多面性を一望のもとに概観する、最高の執筆陣による本邦初の読本。主要著作解題とキーワード解説、略年譜も付す。

目次


凡 例
主要著作の略号一覧

第Ⅰ部 リクールと二十一世紀の世界
1 リクールと歴史の理論──哲学的歴史理論の射程【鹿島 徹】
2 リクールと物語り論──「分析哲学的ヴァリアント」を軸に【野家啓一】
3 リクールと現代社会──われわれは何を希望することが許されるか【堀江宗正】
4 リクールと政治哲学──政治的なものの根源に向けて【川上洋平】
5 リクールと歴史修正主義論争──惨事の比較は不道徳か【川口茂雄】
6 リクールと神学──「哲学」か「神学」か?【佐々木啓】

第Ⅱ部 リクールと現代哲学
7 現代思想の交差点としてのリクール 二十世紀の哲学的証人【杉村靖彦】
8 リクールとナベール──「根源的肯定」から「証し」へ【越門勝彦】
9 リクールとレヴィナス──レヴィナス解釈の独自性と「誇張法」【関根小織】
10 リクールとデリダ──「隠喩」論争が拓いたもの【合田正人】
11 リクールとフッサール──独断的形而上学の超克をめぐって【長坂真澄】
12 リクールとハイデガー──カント『純粋理性批判』と純粋想像力の第三項性【川口茂雄】
13 リクールとヤスパース──実存哲学の一展開【大沢啓徳】
14 リクールとベンヤミン──物語の衰退をめぐって【鹿島 徹】
15 リクールとアーレント──「赦し」を中心に【森 一郎】
16 リクールと分析哲学──「自己」に至る迂回路としての【長門裕介】

〈コラム①〉リクールから教えられたこと【杉村靖彦】

第Ⅲ部 リクールと社会科学
17 アナール派歴史学の変遷──社会史と物語【渡辺和行】
18 テクスト解釈学と文化社会学──「行為をテクストとみなす」という方法をめぐって【佐藤成基】
19 〈記憶の場〉とコメモラシオン──歴史研究からみたリクール【長井伸仁】
20 ケアの倫理をめぐる思想状況──個人を支える集合体の形成【原山 哲】
21 文学教育と物語的自己同一性──自己性のダイナミクスを視座として【荒木奈美】

第Ⅳ部 リクールと近代哲学
22 リクールとベルクソン──生の哲学の影【藤田尚志】
23 リクールとディルタイ──ディルタイの解釈学は「ロマン主義的解釈学」なのか?【瀬戸口昌也】
24 リクールとマルクス──リクールはマルクスをどう読んだか【川﨑惣一】
25 リクールとメーヌ・ド・ビラン──身体に内在する〈他性〉の再発見【越門勝彦】
26 リクールとスピノザ──迂回の哲学としての『エチカ』【朝倉友海】
27 リクールとデカルト──第四省察の自由論を現象学的に再解釈する【川口茂雄】

〈コラム②〉神の名、命の贈与の神学【久米 博】

主要著作解題
キーワード解説
リクール略年譜
人名索引

著者略歴

編:鹿島 徹
1955年生。早稲田大学教授。著書:『可能性としての歴史──越境する物語り理論』(岩波書店),訳書:ベンヤミン『【新訳・評注】歴史の概念について』(未來社)。
編:越門 勝彦
1973年生。宮城学院女子大学准教授。著書:『省みることの哲学──ジャン・ナベール研究』(東信堂),共訳書:リクール『道徳から応用倫理へ』(法政大学出版局)。
編:川口 茂雄
1976年生。甲南大学准教授。著書:『表象とアルシーヴの解釈学』(京都大学学術出版会),共著:『岩波講座 現代 第9巻 デジタル情報社会の未来』。

ISBN:9784588150784
出版社:法政大学出版局
判型:A5
ページ数:416ページ
価格:3400円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1DDF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:1DDN