叢書・ウニベルシタス 704
報酬主義をこえて
新装版
著:アルフィ・コーン
訳:田中 英史
内容紹介
前著『競争社会をこえて』でアメリカ心理学会賞を受賞したA.コーンによる行動主義批判。職場や学校、家庭において、報酬による動機づけはいかに不毛であるか、どのような問題が発生するかを具体例にもどづいて明らかにし、内発的動機づけの重要性を説く。付録として行動主義の権威B.F.スキナーとの対話、行動主義者の反論をも収録する。
目次
はしがき
第一部 報酬反対論
第一章 スキナー箱に入れられて──行動主義の遺産
ハトとネズミとイヌと
〈強化〉の導入
行動主義の魅力の裏で
第二章 報酬を与えるのは正しいか
当然の報いを受ける余地を
人間をペット扱い
第三章 報酬は効果があるか
報酬は行動を変えるか
報酬は成績向上につながるか
第四章 ニンジンの問題点──報酬が効果的でない四つの理由
一 報酬は罰になる
二 報酬は人間関係を破壊する
三 報酬は理由を無視する
四 報酬は冒険に水をさす
第五章 興味を損なう──報酬が効果的でない第五の理由
ある老人の計略
効果の範囲
効果の理由
「しかし、こうしたらひょっとして……」
害を最小限に
第六章 賞賛の問題点
「よくやった!」対 よくやること
賞賛が病みつきに
励ましの言葉
甘やかすことへの恐れ
第二部 報酬の現実
第七章 業績給──行動主義は職場でなぜ効果がないか
誘因使用がはびこる
誘因はうまくいかない
誘因はなぜうまくいかないか
金
報酬の問題点五つ──職場の場合
第八章 学習へのエサ──行動主義は学校でなぜ効果がないか
学習への動機づけ
勉強をさせること
コントロールを強める──特殊教育の場合
「ぼくの成績は?」
第九章 アメで釣って行儀よく──行動主義はなぜよい人間を作れないか
服従の代価
子供への罰
「結果責任(コンセクエンス)」の結果
「もしいい子にしていたら……」
第三部 報酬を超えて
はじめに
第一〇章 うれしいな、月曜日だ──職場における動機づけのもと
第一段階──誘因策の廃止
第二段階──査定の再査定
第三段階──真の動機づけへの条件作り
協力
内容
選択
第一一章 勉強に熱中させる──学校におけるやる気のもと
褒美をやめる
点をつける必要があるか
オールAの生徒──警戒を要する話
成績低下から成績廃止へ
発見としての学習
三つのCをここでも
協力──一緒に学ぶ
内容──学ぶ価値のあるものは?
選択──教室での自主性
第一二章 アメをもらわなくても、よい子に
管理を超えて
問題解決方式──ここでも三つのCを
思いやりのある子
学校の役割
選択の機会
自由の度合い
選択への障害
褒美からの自由
付録A B・F・スキナーとの対話
付録B 内発的動機づけとは?
付録C 行動主義者の反論
訳者あとがき
原注
参考文献
人名索引
事項索引
ISBN:9784588099458
。出版社:法政大学出版局
。判型:4-6
。ページ数:604ページ
。定価:5800円(本体)
。発行年月日:2011年10月
。発売日:2011年10月07日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP。