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りぶらりあ選書

子どもの描画心理学

新装版

著:グリン・V.トーマス
著:アンジェル・M.J.シルク
監訳:中川 作一

紙版

内容紹介

単純でありながら人をひきつける子どもたちの絵は、何を反映しているのか。それは、彼らの情緒やパーソナリティの指標となるのだろうか。本書は、描画とは何か、子どもたちはなぜ描くのかをさぐり、描画過程の役割と、その作品にあたえる影響の重要性、子どもたちが描画のなかに提示するゆたかな情報に着目して、児童画研究の将来を展望した描画心理学入門。

目次

 まえがき
 謝辞
 序章
 図版

第1章 歴史と理論的概観
発達的アプローチ
臨床‐投影的アプローチ
芸術的アプローチ
プロセスアプローチ
まとめ

第2章 子どもの描画の特徴
発達段階の区分
まとめ

第3章 描画とは何か
シンボとしての絵
絵画の知覚理論
まとめ

第4章 なぜ子どもは描画するのか?
発達的アプローチ
臨床‐投影的アプローチ
芸術的アプローチ
社会的影響
まとめ

第5章 描画過程とその効果
構成様式
図画の語彙
形と線を組み合わせる
図式
配列の手がかり
まとめ

第6章 描画のなかに提示されているのはどんな情報か?
象徴的な描画
対象中心の情報
3次元の物を描く
配置‐特定情報
見え‐特定情報
物と物の大きさの見積り
結論
まとめ

第7章 描画の感情表現の側面
子どもの描画の投影法的解釈
子どもの描画における情緒的な指標
情緒的に意味のある題材の描写
芸術療法
まとめ

第8章 特異な描画発達
描画以外の面ではふつうの子どもたちが示す描画の才能の発達
描画の才能に恵まれた自閉症の芸術家
他の子どもたちとの比較
自閉症の芸術家たちの描画能力についての説明
まとめ

第9章 芸術としての子どもの描画
子どもたちは芸術的な特性を備えた絵が描けるか?
子どもは描画の芸術的特性を知覚することができるか?
子どもたちの芸術に対する理解
美術教育
まとめ

第10章 結論と将来の方向
情緒の表現
描画と初期の書字行動
描画と思考
結語

 訳注
 監訳者あとがき
 参考文献
 索引

著者略歴

著:グリン・V.トーマス
フリーマンの業績をうけつぐ現代イギリスの心理学者。バーミンガム大学の心理学講師。本書刊行後の1993年、セビリアで開かれた「第5回発達心理学ヨーロッパ会議」に際して「絵画表現への論理的接近」というシンポジウムを催し、その時の要望にしたがって、ドイツ自由大学のランゲ‐キュットナーとの共著『描くことと見ること』を刊行している。
著:アンジェル・M.J.シルク
フリーマンの業績をうけつぐ現代イギリスの心理学者。バーミンガム大学の名誉研究員。本書刊行後の1993年、セビリアで開かれた「第5回発達心理学ヨーロッパ会議」に際して、トーマスとともに「絵画表現への論理的接近」というシンポジウムを催す。
監訳:中川 作一
1925年 東京都に生まれる
1950年 早稲田大学文学部哲学科心理学専攻卒業(青年心理学・絵画と知覚・社会心理学)
現 在 法政大学名誉教授
著 書 『目と絵の社会心理学』(法政大学出版局)ほか

ISBN:9784588023019
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:254ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2011年08月
発売日:2011年08月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA