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叢書・ウニベルシタス 1074

左翼のメランコリー

隠された伝統の力 一九世紀~二一世紀

著:エンツォ・トラヴェルソ
訳:宇京 賴三

紙版

内容紹介

挫折した革命と夢破れたユートピアの記憶に宿るメランコリーは、左翼思想・文化をいかに形づくってきたのか。マルクス、ベンヤミン、ダニエル・ベンサイドらのテクストを背景に、ソ連芸術の諸潮流、ネオレアリズモの諸作品やテオ・アンゲロプロス、クリス・マルケル、ケン・ローチ、パトリシオ・グスマンらのイメージが織りなす喪と再生の左翼史。

目次


第一章 敗者のメランコリー
 敗者とともに遭難
 敗者の左翼
 系 譜
 ヴァルター・ベンヤミンの二律背反
 メランコリックな賭け
第二章 マルクス主義と記憶
 記憶の入口、マルクス主義の出口
 未来の記憶
 神話と記憶
 過ぎ去った未来
第三章 メランコリックな映像──敗北した革命の映画
 映画と歴史(歴史の映像形態)
 戦後の体制復古
 植民地革命
 記憶の場
 赤い影
 スペインの亡霊
 サンティアゴの思い出
 U-トピア
第四章 植民地主義の亡霊
 マルクスと西欧
 ヘーゲル的母型
 歴史なき民
 暴力と反抗
 遺 産
 亀 裂
第五章 時の一致
 ポルトボウ
 パ リ
 マルクスを再解釈する
 共時態──一九四〇年と一九九〇年
 歴史主義
 革 命
 ユートピア
結 論
 
 原 注
 訳者あとがき
 人名索引

著者略歴

訳:宇京 賴三
1945年生まれ。三重大学名誉教授。フランス文学・独仏文化論。著書に、『フランス-アメリカ──この〈危険な関係〉』(三元社)、『ストラスブール──ヨーロッパ文明の十字路』(未知谷)、『異形の精神──アンドレ・スュアレス評伝』(岩波書店)、『仏独関係千年紀──ヨーロッパ建設への道』(法政大学出版局)、訳書に、トラヴェルソ『ユダヤ人とドイツ』(法政大学出版局)、同『マルクス主義者とユダヤ問題』(人文書院)、同『アウシュヴィッツと知識人』(岩波書店)、オッフェ『アルザス文化論』(みすず書房)、同『パリ人論』(未知谷)、ルフォール『余分な人間』(未來社)、同『エクリール』(法政大学出版局)、フィリップス『アイデンティティの危機』(三元社)、同『アルザスの言語戦争』(白水社)、カストリアディス『迷宮の岐路』(法政大学出版局)、同『細分化された世界』(法政大学出版局)、ロレーヌ『フランスのなかのドイツ人』(未來社)、バンダ『知識人の裏切り』(未來社)、トドロフ『極限に面して』(法政大学出版局)、アンテルム『人類』(未來社)、センプルン『ブーヘンヴァルトの日曜日』(紀伊國屋書店)、オルフ=ナータン…

ISBN:9784588010743
出版社:法政大学出版局
判型:4-6
ページ数:306ページ
価格:3700円(本体)
発行年月日:2018年01月
発売日:2018年01月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB