内容紹介
本書は、アリストテレス、プラトン、トゥキュディデスの古典的テキストを省察する三章から成る。著者は、各テキストを政治学、政治哲学、政治史という三つの異なる知の形式の縮図として提示したうえで、都市と人間のあいだに存在する架橋することのできない緊張を明らかにする。
目次
日本語版への序文(キャサリン・ズッカート)
序論
第 I 章 アリストテレスの政治学について
第 II 章 プラトンの共和国について
第 III 章 トゥキュディデスの『ペロポンネソス人たちとアテナイ人たちの戦争』について
注
訳者あとがき
著者略歴
著:レオ・シュトラウス
(Leo Strauss, 1889-1973)
ドイツのマールブルク近郊のユダヤ人家系に生まれる。ハンブルク大学で、E.カッシーラーの下ヤコービ研究により学位取得。ベルリンでユダヤ学の研究に携わった後、1938年にはアメリカに亡命。同年からニューヨークのニュー・スクールで、1949年からシカゴ大学で政治哲学を講じた。その間、本書のほか『ホッブズの政治学』(みすず書房)、『僭主政治について』(現代思潮新社)、『自然権と歴史』(ちくま学芸文庫)、『リベラリズム古代と近代』(ナカニシヤ出版)、『政治哲学とは何であるか?』(早稲田大学出版部)など、多数の書物を著し、1973年アナポリスで没す。古典の「注意深い読解」を通し、近代科学に代わる知的枠組みの探求と教育によって多くの弟子を育てた。シュトラウシアンと呼ばれる弟子たちは、アカデミーの世界はもとより政治、外交、法曹などの世界でも活躍。現代思想の最も注目される人物の一人である。
訳:石崎 嘉彦
1948年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、広島大学論文博士(文学)。現在、摂南大学名誉教授(哲学・倫理学)。主な業績:『倫理学としての政治哲学――ひとつのレオ・シュトラウス政治哲学論』ナカニシヤ出版、2009年、『ポストモダンの人間論─―歴史終焉時代の知的パラダイムのために』ナカニシヤ出版、2010年、『政治哲学と対話の弁証法──ヘーゲルとレオ・シュトラウス』晃洋書房、2013年ほか。
訳:飯島 昇藏
1951年生まれ。シカゴ大学Ph.D.(政治学)。現在、早稲田大学政治経済学術院教授(政治哲学)。主な業績:『スピノザの政治哲学』早稲田大学出版部、1997年、『社会契約』東京大学出版会、2001年、レオ・シュトラウス『政治哲学とは何であるか?とその他の諸研究』(共訳)早稲田大学出版部、2014年ほか。
ISBN:9784588010293
。出版社:法政大学出版局
。判型:4-6
。ページ数:432ページ
。定価:4400円(本体)
。発行年月日:2015年07月
。発売日:2015年07月09日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP。