著:エティエンヌ・ボノ・ド・コンディヤック
1714年,グルノーブルの法服貴族の家系に生まれる.1726年から33年までリヨンのイエズス会のコレージュで基礎教育を受けた後,パリに出てサン・シュルピス神学校とソルボンヌ大学で神学を修める.1735年に哲学の教授資格を,1739年に上級聖職位を取得し,1741年に司祭職に就任するが,これ以降もパリの俗界にとどまり,デイドロ,ルソー,フォントネル,ダランベール,ドルバック,エルヴェシウス,ビュフォンらと交流しながら執筆活動を開始した.1746年に発表した処女作『人間認識起源論』を皮切りに,『体系論』『感覚論』『動物論』などを発表.1752年,フォントネルと共にベルリン王立アカデミー会員に選出される.1758年から67年まで,パルマ公国の王子フェルディナンドの家庭教師として招聘され,ルイ15世の孫に当たる王子を教えた.その後パリに帰り,1968年にはアカデミー・フランセーズ会員に選出される.1773年にヴォージャンシー近郊に城館を購入し,『教程』『通商と政府』『論理学』『計算の言語』を執筆.1780年,65歳で死去.
訳:古茂田 宏
1952年に生まれる.1976年,東京大学文学部倫理学科卒業.1983年,東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学.山梨県立女子短期大学助教授,千葉大学助教授,一橋大学助教授・教授を経て,同大学大学院社会学研究科教授として在職中の2010年死去.
主な著書に,『思想史の意義と方法』(以文社,1982),『近代変革期の倫理思想』(以文社,1986),『醒める夢冷めない夢――哲学への誘惑』(はるか書房,1995),『ビンボーな生活ゼイタクな子育て』(はるか書房1999),共著に,『喫茶店のソクラテス』(汐文社,1984),『公園通りのソクラテス』 (汐文社,1987),『モダニズムとポストモダニズム』(青木書店,1988),『言葉がひらく哲学の扉』 (青木書店,1998),『翼ある言葉』(青木書店,2002),訳書に,コンディヤック『人間認識起源論』上下(岩波書店,1994),ウォルツァー『アメリカ人であるとはどういうことか――歴史的自己省察の試み』(ミネルヴァ書房,2006),共訳に,プーラン・ド・ラ・バール『両性平等論』(法政大学出版局,1997) がある.