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中国道教美術史 漢魏晋南北朝篇

著:李松
監:土屋昌明
監:齋藤龍一

紙版

内容紹介

道教の生成プロセスにまでさかのぼり、春秋戦国時代から漢そして三国時代にいたる、老子の神格化と視覚化の関係を「先道教美術」と位置付け、多くの新出資料を提示し徹底的に検討する。
さらに南北朝時代北魏を「道教美術の成立」と定義し、北魏から隋時代にいたる膨大な道教像を時代ごとに整理し網羅的に集成、最新の研究に裏付けされた詳細な解説を付す。
文献を中心とした道教研究とは一線を画し、現地調査による道教空間への接近、帛書・銅鏡・画像石・書法・絵画・彫刻など、道教美術研究の第一人者による「モノ」を起点とした総合的な考察の成果を示す。
道教美術の全貌をオールカラーによる豊富な図版と共に紹介する大著、待望の邦訳。

目次

前言 李 松
訳者説明

第一章 先道教美術
 はじめに 「先道教美術」について
 第一節 楚墓の文物から見た人と鬼神が共存する世界
 第二節 漢晋銅鏡:羽人から諸神の出現へ
 第三節 漢代の老子図像
 第四節 洛陽から陝北へ:地下にあるカラーの天界
 春秋戦国~漢代道教美術年表

第二章 引用と相互作用:南北朝時代から隋時代の道教石刻造像
 はじめに 未完成の道教図像に関する設計書―顧愷之『画雲台山記』
 第一節 北魏:長安から耀県へ
 第二節 西魏「大統」時代
 第三節 北周・北斉:限りある発展
 第四節 隋代:天尊の出現
 三国~隋代道教美術年表

訳者あとがき
著訳者紹介

著者略歴

著:李松
李松(ペンネーム:李凇、りしょう、Li Song)
北京大学芸術学院教授、美術学博士、専門は中国宗教美術史。著書に『神聖図像 李凇中国美術史文集』(人民出版社、2016年)、『陝西仏教芸術』(文物出版社、2008年)、『遠古至先秦絵画史』(人民美術出版社、2004年)、『長安芸術与宗教文明』(中華書局、2002年)など。編著に『道教美術新論―第一届道教美術史国際研討会論文集』(山東美術出版社、2008年)などがある。この分野で中国を代表する研究者である。
監:土屋昌明
土屋昌明(つちや・まさあき)
専修大学国際コミュニケーション学部教授。専門は中国文学・思想史。編著書に『道教の聖地と地方神』(ヴァンサン・ゴーサールとの共編、東方書店、2016年)、論文に「女性道士焦真静の巡礼」(日本道教学会『東方宗教』第132号、2020年8月)、「黄泉国と道教の洞天思想」(日本古事記学会『古事記年報』58、2016年3月)などがある。
監:齋藤龍一
齋藤龍一(さいとう・りゅういち)
大阪市立美術館主任学芸員。専門は中国仏教・道教美術史。編著書に展覧会図録『道教の美術』(読売新聞社、2009年)、論文に「中国南北朝時代における維摩像の展開と地域性―道教像との図像的関連に注目して―」(『仏教芸術』第6号、2021年3月)、「唐時代における石造道教像の研究―老君・天尊像を中心に―」(『國華』第1485号、2019年7月)などがある。

ISBN:9784585370017
出版社:勉誠出版
判型:B5
ページ数:552ページ
定価:35000円(本体)
発行年月日:2022年02月
発売日:2022年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AGA