はじめに
Ⅰ 内面の論理―男一匹の「気」
一、「気分」の文化
共感の時代/「気分」の日本文化/漱石「気分の文学」/「不機嫌」という気分/西田幾多郎「気分の哲学」/「空気」と「太陽」/遠くを見ること
二、「気」と「好悪なき心」
「気」と近代的自我/「気」一元論/「理気」一体/「好悪」の排除・解消/好悪と小人/「収斂」する「好悪なき心」
三、自己抑制・絶対限定の論理
脱成長と自己抑制/旧時代的日本の「Snobisme」/武士の自己抑制/〝さかさま〟/「負の力」と絶対限定
四、絶対受動・「対極」主義
「即」の弁証法/ヘーゲル弁証法と「魔力」/反転の力学/「木鶏」絶対受動・絶対他力/二元論の切断/出現する「恐ろしい力」/両極共存の「対極」
五、蕃山と弁証法
文武二元の「decency」/反発的調和パリントロポス・ハルモニエー/弁証法的、あるいは非弁証法的/日本固有の形―双極性bipolarity/「極端」を拒否する
六、気の実学
「虚学」の再評価/「気」と祈り/宇宙の「理」との合体
Ⅱ 宇宙と人間―コスモポリテスの「理」
一、スピノザと蕃山
オランダ商館長・カロン/カロンの「神色自若」/スピノザと蕃山を結ぶ線/二人の相似点
二、死と老い
死と云ふ諦め/「男一匹」の自死/〈いのち〉と〈死〉/「死」の意味/無限に続く「老後」…194/「人生の本舞台は常に将来に在り」
三、「弱さ」の価値
「陰陽」理論/〈陽〉の圧倒的支配/「強い個」への要請/依存的な理性的動物/〈弱さ〉の哲学/変革者・救済者と「絶対他者」
四、「孝」と「生命連鎖性 Generativity」
若い世代の怒り/「孝」の哲学と戦後の受難/ジェネラティヴィティ
五、天と地と「農」のダイナミズム
大地と人間/大地と農の思想/絶対平和論/農本主義/「直耕」と人間身体/非「反発」の論理/重力利用「神足歩行術」/重力への従順/重力の弁証法/地に深く沈み、空に高く上る/天下の谷
六、一身同体―植物身体・植物生命論
植物身体/動物と植物/植物身体・植物生命/宇宙との共振
七、造化賛助「鋤月耕雲」の世界
無用の者/ハイデガーの植物身体・植物生命論/天の観照(theōria)/儒教と宇宙/源氏と琴/琴と天/造化参賛と人間/「鋤月耕雲 山林経済」の哲学
〈附論〉熊沢蕃山 生涯と評価
おわりに