正訳 源氏物語 本文対照 第十冊
浮舟/蜻蛉/手習/夢浮橋
訳:中野 幸一
紙版
内容紹介
第十冊は浮舟巻~夢浮橋巻。薫二十七歳の春~二十八歳の夏までの出来事。
浮舟が薫によって宇治にかくまわれていることを知った匂宮は、情熱的な魅力で浮舟の心をとらえる。浮舟は薫と匂宮との間で煩悶の末入水を決意し、横川の僧都に助けられるが、懇願して尼になる。浮舟の生存を知った薫は再び会おうとするが…。
『正訳 源氏物語 本文対照』、ついに完結!
巻末の論文では『源氏物語』における古物語の合成発展を取り上げる。蜻蛉巻の「芹川のとほ君の女一の宮思ひかけたる秋の夕暮」という一節について、古来より注釈書に言われてきている解釈を、新たな解釈で読み解き、物語の合成発展を考察し、物語研究の新しい可能性を示唆する。