南方熊楠と日本文学
著:伊藤 慎吾
紙版
内容紹介
近代における諸学問の形成の時期に在野にありながら数多くの論考を展開した南方熊楠。その論考の多くには、文学作品が資料として使われており、そこには今日でも通用する見解が散見される。
熊楠が研究の基礎とした近世随筆・説話集、お伽草子や近世怪談などの資料群を精査し、近代前期における人文学の展開の中に位置付け、看過されてきたアイディア、研究のオリジナリティを発掘することにより、これからの日本文学研究の可能性を提示する。
熊楠自筆『熊野の本地』・「横山重書簡」・「横山重寄贈本書入れ」・南方熊楠顕彰館所蔵『絵巻物断簡』などの貴重資料の翻刻も多数収録。
目次
序論 南方熊楠と日本文学
第一部 古代・中世文学の受容
第一章 南方熊楠の文学史的認識
第二章 横山重と南方熊楠―お伽草子資料をめぐって―
第三章 南方熊楠書写『熊野の本地』の性格
第四章 南方熊楠『蛤の草紙』論の構想
補論 折口信夫の壱岐調査と文学史
第二部 近世文学の受容
第一章 南方熊楠の妖怪研究と近世説話資料
第二章 南方熊楠と近世期翻案系怪談
第三章 南方熊楠と『甲子夜話』
第四章 妖怪研究と説話・民俗―西牟婁郡江住村のネコマタに及ぶ―
第五章 南方熊楠の妖怪名彙〈鬼〉について
付論 文芸創作について
第三部 資料編
1 『熊野廼縁起』
2 横山重書簡・翻字資料
3 横山重寄贈本書入れ
4 南方熊楠顕彰館所蔵『絵巻物断簡』影印と翻刻
ISBN:9784585222705
。出版社:勉誠出版
。判型:A5
。ページ数:408ページ
。定価:7000円(本体)
。発行年月日:2020年03月
。発売日:2020年03月13日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。