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平凡社新書 867

「脱原発」への攻防

追いつめられる原子村

著:小森 敦司

紙版

内容紹介

安倍政権下でも原発再稼働は進まず、電力自由化、東芝の経営危機、損害賠償裁判など、「ムラ」は確実に追いつめられている―。

目次

はじめに

第1章 電力自由化で攻防激しく
1 原産協会会長の危惧と東芝危機
2 崩れる9電力の地域独占
3 電源シフトへ大手電力の壁
4 実力付ける再生可能エネルギー
5 「事故費用の備え」をどうするのか

第2章 東電の実質国有化と国民への負担転嫁
1 東電が負う「責任と競争」
2 事故の賠償「免責通じぬ」
3 廃炉、賠償で国民の負担増へ
4 21・5兆円割り振り 短期決着
5 経営トップ人事 生え抜き「完敗」

第3章 何が起きたか、どう再生するか──当事者、被災者に聞く
1 首都圏避難だったら地獄絵だった──元首相・菅直人氏
2 なぜ「伝家の宝刀」を使わなかったのか──元四国電力社員・松野元氏
3 人間の生きる尊厳を奪われた──ひだんれん共同代表・武藤類子さん
4 線量基準は私たちが決めるべき──チェルノブイリ法研究者・尾松亮氏
5 福島再生、公害の教訓に学ぶべき──大阪市立大学教授・除本理史氏

第4章 電力・原発をどうするのか──政治家、専門家に聞く
1 賠償、現状回復 東電は責任果たせ──衆議院議員・河野太郎氏
2 差し止め訴訟 「原発いらない」世論が支え──元裁判官・井戸謙一氏
3 自然エネルギー、爆発的普及期に──自然エネルギー財団局長・大林ミカさん
4 「原発のごみ」、総量に上限を──原子力資料情報室共同代表・伴英幸氏
5 東芝の海外原発、失敗は必然だった──専門誌編集長・宗敦司氏

第5章 「ふるさと喪失」は償われるのか
1 住職は地域が消えると恐れた
2 主婦は戻れないと思った
3 「ふるさと」を失ったのだ
4 なぜ、裁判で闘うのか
5 「納得できない」と集団訴訟に

第6章 津波への対策は十分だったのか
1 1枚のCD―ROMに
2 「ない」はずの資料が
3 警告は無視されたのか
4 「起訴すべき」と検察審査会
5 対策は「不可避」だった?

あとがき

著者略歴

著:小森 敦司
1964年東京都生まれ。上智大学法学部卒業。87年、朝日新聞社入社。千葉・静岡両支局、名古屋・東京の経済部に勤務。金融や通商産業省(現・経済産業省)を担当。ロンドン特派員(2002~05年)として世界のエネルギー情勢を取材。社内シンクタンク「アジアネットワーク」でアジアのエネルギー協力策を研究。現在はエネルギー・環境分野などを担当。著書に『資源争奪戦を超えて』(かもがわ出版)、『日本はなぜ脱原発できないのか』(平凡社新書)、共著に『失われた〈20年〉』(岩波書店)、『エコ・ウオーズ』(朝日新書)など。

ISBN:9784582858679
出版社:平凡社
判型:新書
ページ数:272ページ
定価:840円(本体)
発行年月日:2018年02月
発売日:2018年02月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:THY