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偽装された原爆投下

広島・長崎原爆の物理学的・医学的エビデンスへの再検討

著:ミヒャエル・パルマー
訳:原田 輝一

紙版

内容紹介

広島と長崎に投下された爆弾は本当に原子爆弾だったのか? 歴史は常に史実なのか、なぜ偽装する必要があったのか、科学的エビデンスへの徹底的再検討から歴史的背景を探る。

目次

本書を読まれる方へ――訳者によるナビゲーション

第1章 なぜ広島と長崎への原爆投下を疑うのか?
 1節 広島の破壊状況についての専門家の証言
 2節 消えたウラン
 3節 爆撃の目撃証言
 4節 あの日、本当は何が起きていたのか?
 5節 犠牲者におけるエビデンス
 6節 本書の構成
第2章 電離放射線と放射能についての基礎知識
 1節 原子とその構成粒子
 2節 化学結合と分子
 3節 放射能
 4節 電離放射線と物質の相互作用
 5節 核分裂
 6節 放射能や核分裂とは無関係な電離放射線
 7節 物質による電離放射線の減衰
 8節 電離放射線の測定
 9節 放射線量
 10節 核分裂爆弾によって放出される放射線の形態
 11節 生物学的放射線効果
第3章 広島と長崎での核爆発による放射性降下物
 1節 土壌サンプル中のウラン同位体
 2節 原爆投下直後に採取されたサンプル中のセシウムとウラン
 3節 広島の放射性降下物地域の土壌サンプルにおけるセシウムとプルトニウム
 4節 広島の放射性降下物における同位体比のばらつき
 5節 長崎近郊の西山貯水池から採取された堆積物中のセシウムとプルトニウム
 6節 爆弾製造可能なウランの濃縮――それは1945年に可能だったのか?
 7節 最初の核爆発テストは、本当にプルトニウム爆弾だったのか?
 8節 結 論
第4章 残留放射能の初期測定
 1節 初期の現地測定における時間経過と結果
 2節 清水による硫黄の放射化測定
 3節 結 論
第5章 熱ルミネッセンス(熱発光)によるγ線量測定
 1節 熱ルミネッセンス測定の校正(キャリブレーション)
 2節 信号の形状と安定性
 3節 爆弾と火災の熱によるサンプルの不活性化
 4節 報告されている発光データの評価
 5節 結 論
第6章 中性子線のエビデンス
 1節 T65DおよびDS86線量評価方式による中性子線の線量推定値
 2節 低エネルギー中性子による誘導同位体の測定値
 3節 硫黄の活性化の測定値
 4節 コバルトとユーロピウムの放射化についての比較研究
 5節 新しい改訂推定値――最終的にすべてが適切に収まる
 6節 作為された世代モデル
 7節 結 論
第7章 硫黄マスタードとナパーム
 1節 物理化学的性質
 2節 作用機序と毒物動態
 3節 臨床的・病理学的症状
 4節 ナパーム
第8章 広島・長崎における急性「放射線」障害の統計学的観察
 1節 物理学的前提
 2節 急性放射線障害の症状
 3節 広島・長崎での急性期放射線量
 4節 広島で観察されたARSの距離分布
 5節 長崎で観察されたARSの距離分布
 6節 コンクリート建物に遮蔽された人のARS症状
 7節 原爆投下後に広島市内中心部に入った人のARS
 8節 遅発性ARS
 9節 ARSの症状と公式放射線量推定値
 10節 ARSの初期症状としての下痢
 11節 ファラオたちの呪い
第9章 生存者における熱傷
 1節 熱傷の分類
 2節 広島・長崎での熱傷に関する統計的観察
 3節 即発性熱傷と遅発性熱傷
 4節 ナパーム熱傷のエビデンス
 5節 マスタードガスによる化学損傷(熱傷)
 6節 付録――皮膚への閃光熱傷実験
第10章 被爆者における初期の臨床所見と病理学的所見
 1節 初期死亡者の臨床像
 2節 急性網膜熱傷――不自然にも広島と長崎の原爆では発生しなかった
 3節 その他の急性眼病変
 4節 肺
 5節 頸部臓器
 6節 消化管
 7節 その他の臓器
第11章 被爆者を対象とした研究で使用されている推定放射線量
 1節 原爆傷害調査委員会(ABCC)
 2節 個々の線量推定値の設定
 3節 放射線量推定値とARS症状との相関性
 4節 線量推定値と体細胞染色体異常
 5節 DS86線量推定方式
 6節 結 論
第12章 長期生存者における疾患
 1節 胎内被爆者における先天性障害と悪性疾患
 2節 癌と白血病
 3節 癌以外の長期的疾患
 4節 結 論
第13章 爆撃はどのように行われたのか?
 1節 見せかけの核爆発
 2節 通常兵器による攻撃とその隠蔽
 3節 日本側の共謀
 4節 検閲とプロパガンダ
 5節 特殊効果
 6節 核爆発を否定する追加エビデンス
第14章 なぜ原爆投下を偽装したのか?
 1節 目的は日本の降伏ではなかった
 2節 原爆捏造の目的は、スターリンを脅すことではなかった
 3節 テロ行為としての原爆投下捏造
 4節 近代史における二つの対立する見解

解説 隠された人間性と社会原理、そしてそれに向き合う勇気


[原題]Hiroshima revisited: The evidence that napalm and mustard gas helped fake the atomic bombings

著者略歴

著:ミヒャエル・パルマー
※初版刊行時のものです
ミヒャエル・パルマー(Michael Palmer)
医学博士・科学ジャーナリスト
1961年、ドイツ(シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州)生まれ。ドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセン校医学部卒業。ヨハネス・グーテンベルク大学での博士号取得と微生物学教室勤務を経て、カナダのウォータールー大学化学部の生化学教授を20年間務める。2022年に同大学を退職し、新たに科学ジャーナリストへ転身、歴史的出来事を含めてさまざまなテーマに取り組んでいる。広島と長崎への原爆投下にはいまだ解決を見ない謎が多数あることが、本書を執筆する動機になった。現在、COVID-19に対するmRNAワクチン技術に潜んでいるリスク分析に注力している。
訳:原田 輝一
※初版刊行時のものです
原田 輝一(はらだ・てるいち)
医師(医学博士)、著作家
1958年、大阪市生まれ。大阪市立大学医学部卒業。
現在、医療法人生登会に勤務。医療福祉連携分野における、新しい支援技術の導入を目指している。アピアランス〈外見〉問題については、日本心理学会研修会に講師として協力し、海外の識者らとともに日本への導入を進めている。原爆問題については、NHKのドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」の制作に協力したことをきっかけに、継続的に取り組んでいる。
主な著書:『アピアランス〈外見〉問題介入への認知行動療法』(A.クラーク、A. R.トンプソン、E.ジェンキンソン、N.ラムゼイ、R.ニューウェル著/原田輝一・真覚健訳、2018年)、『アピアランス〈外見〉問題と包括的ケア構築の試み』(原田輝一・真覚健編、2018年)、『アピアランス〈外見〉の心理学』(N.ラムゼイ、D.ハーコート著/原田輝一・真覚健訳、2017年)、以上福村出版。

ISBN:9784571500213
出版社:福村出版
判型:4-6
ページ数:592ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年09月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PD