はじめに(亀口憲治)
第1部 臨床心理士による子育て支援
第1章 臨床心理士の地域社会での子育て支援(青木紀久代)
第1節 子育て支援の背景
第2節 臨床心理士と子育て支援
第3節 子どもの心と命に寄り添う
第4節 地域における切れ目ない子どもと家族への包括的支援と心理臨床
第2章 子育て支援をまなざす臨床心理士養成――「わからない」でつなげる心の共有(浅田剛正)
第1節 子どもは「かわいい」
第2節 臨床心理士の「業」とその養成過程
第3節 「問題」と「訴え」を「聴くこと」
第4節 「わからない」ことの専門知
第5節 「あたりまえ」を大切にする心
第3章 子ども虐待防止における臨床心理士の役割(増沢 高)
第1節 児童虐待対応の制度的な変遷
第2節 子ども虐待に携わる心理職
第3節 臨床心理士が子ども虐待に関わるうえで求められる役割
第4章 発達支援における臨床心理士の役割(石井正子)
第1節 「発達支援」とは
第2節 早期発見と二次的障害の予防
第3節 発達支援のためのアセスメント
第4節 心理検査による発達のアセスメント
第5節 保護者への支援
第6節 インクルーシブ保育の中での支援
第7節 就学に向けた支援
第5章 生殖医療における臨床心理士の役割(平山史朗)
第1節 子どもを産み育てることの心理社会的な意味の変遷と生殖医療の出現
第2節 不妊と生殖医療の現状
第3節 生殖技術が「家族のあり方」に与えた影響
第4節 生殖医療における臨床心理士の役割
第5節 生殖医療を利用してできた家族を支援するために
第2部 子どもの心の発達と心理臨床
第6章 心理臨床からみたあそぶことの意義――あそびとしての子育てとその支援(平野直己)
第1節 子育ては大人にとって「あそび」になりうるか?:生成系AIとの対話より
第2節 あそびとしての子育て
第3節 コミュニティの中で「子育てをあそぶ」実践から
第7章 心の発達とアタッチメント(繁多 進)
第1節 母子関係の研究
第2節 アタッチメント理論の骨格
第8章 周産期医療における心理臨床(永田雅子)
第1節 周産期とは?
第2節 周産期からの心のケアの必要性
第3節 産科医療の中での課題と心のケア
第4節 新生児医療における課題と心のケア
第5節 周産期のメンタルヘルス
第6節 親子の間で起こっていること
第9章 社会的養護における子どもの心のケア――施設での育ちを中心に(髙田 治)
第1節 人間の育ちに関して
第2節 虐待的な環境で育つと、どんな生きづらさをかかえるか
第3節 安心できる共同生活が育む力
第4節 施設の共同生活の中での「かけがえのない大切な自分」づくり
第5節 家族を分離せずに支える支援
第6節 社会的養護における臨床心理士の役割
第10章 発達障害児の心の理解と支援(北川聡子)
第1節 発達障害児との出会い:「むぎのこ」での実践
第2節 発達障害児の心の理解:乳幼児期
第3節 発達障害児への支援の実際
第4節 二次障害の予防
第5節 環 境
第6節 家族支援
第7節 発達障害児への理解と支援の重要性
第8節 むぎのこのミッション
第3部 家族関係と子育て支援
第11章 子育てに不安を訴え、養育困難をかかえる母親の心理療法(深津千賀子)
第1節 妊娠・出産、母親になるということ
第2節 養育困難の表れとその心理・社会的要因
第3節 育児不安、養育困難を訴える母親
第4節 育児不安、養育困難の母親の心理療法:事例
第5節 養育困難、児童虐待の母親の心理療法について
第12章 うつ病の母親への子育て支援(吉田弘道)
第1節 うつ病の母親の子育て行動
第2節 子どもへの影響
第3節 うつ病の母親への子育て支援
第13章 子どもと家族の心理相談――精神分析的アプローチによるアセスメントとコンサルテーション(平井正三)
第1節 精神分析的アプローチによるアセスメントとコンサルテーション
第2節 アセスメントとコンサルテーションの実際:見立てと介入の方針
第14章 離婚家庭やステップファミリーへの子育て支援(青木 聡)
第1節 支援を始める前に子どもの権利条約を読む
第2節 離婚するときに、父母が子どもの今後の生活のために話し合わなければならない事項
第3節 離婚について説明する
第4節 離婚家庭の子どもの気持ちを理解する
第5節 生活を安定させる
第6節 離婚と暴力の問題
第7節 再婚と子育て
第15章 思春期・青年期の心の理解と家族支援(高石恭子)
第1節 思春期・青年期とは
第2節 思春期・青年期から大人への変わらない成長のプロセス
第3節 時代とともに急速に変化する育ちの様相と思春期・青年期心性
第4節 学生相談現場にみる家族支援の現状
第5節 心理臨床の視座から
第4部 地域社会と子育て支援
第16章 関西におけるキンダーカウンセリング事業――その立ち上げから現在、そしてこれから(菅野信夫)
第1節 キンダーカウンセリング事業導入の経過
第2節 事業導入の背景
第3節 京都府私立幼稚園連盟での立ち上げ
第4節 3府県における実践活動の現在
第5節 派遣カウンセラーの事前準備と専門的研修
第6節 これからの課題
第17章 発達障害等の子育てや就労相談における多職種と連携したチームアプローチ(高田 晃)
第1節 委託事業立ち上げまでの経緯
第2節 そらいろにおける臨床心理士の役割
第3節 チームアプローチにおける臨床心理士の役割
第18章 地域における子育て支援の多文化的アプローチに向けて(吉川眞理)
第1節 外国の文化を背景にもつ親子の増加
第2節 外国の文化を背景にもつ親子への就学前の子育て支援
第3節 長時間保育での日本語の習得がもたらす影響
第4節 スクールカウンセリング現場での多文化的アプローチ
第5節 外国の文化を背景にもつ子どもたちの心理アセスメントにあたって
第6節 外国の文化を背景にもつ子どもたちへのいじめ対応について
第19章 教育委員会や多職種との連携による子育て支援(菅野 恵)
第1節 教育委員会の役割
第2節 教育相談
第3節 就学相談
第4節 包括的な子育て支援と教育委員会の役割
第5部 現代社会と子育て支援
第20章 現代社会における保育カウンセリング(瀧口俊子)
第1節 保育カウンセリングとは
第2節 保育カウンセラーの教育・訓練・研修・研究
第3節 東京都日野市における保育カンセラー制度
第4節 こども家庭庁への期待
第21章 被災した家族への子育て支援(藤森和美)
第1節 災害と子どもの心のケアの始まり
第2節 被災後における時間経過と被災者の心理状態の理解
第3節 サイコロジカル・ファーストエイド
第4節 身体的健康への配慮
第5節 被災した子どもの心と身体の反応
第22章 子どもの性問題行動に関わる家族支援(藤岡淳子)
第1節 思春期の親子関係
第2節 性問題行動を予防し、協働的な対人関係をもつようになるための基礎知識
第3節 子どもが性問題行動を行ったときの支援
第4節 性問題行動をもつ子どもの家族とはどのようなものか
第5節 性問題行動をもつ子どもの家族支援のポイント
第23章 死別を経験した家族の理解と支援(白井明美)
第1節 死別後に生じる心理的反応:グリーフと遷延性悲嘆症
第2節 二重過程を基にした心理療法
第3節 子育て支援等での現場における臨床心理士に期待されること
第24章 現代社会のひずみと子育て支援――家族に潜む支配の視点から考える(髙橋幸市)
第1節 現代社会における家族のカタチ
第2節 家庭を運営するコミュニケーションとその影響
第3節 「世話」をすることと支配
第4節 マルトリートメント(child maltreatment:不適切な養育)の諸相
第5節 子育て支援サービスの意義と展望
第25章 子育て支援と心理臨床(亀口憲治)
第1節 家族人生周期と子育て支援
第2節 家族心理面接による子育て支援
第3節 不登校生徒と両親の家族同席面接の実際
第4節 心理チームによる家族の心のケア
第5節 これからの臨床心理士による子育て支援に向けての提言
臨床心理士子育て支援合同委員会の20年の歩み(2004年~2023年)
おわりに(深津千賀子)