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紫式部はなぜ主人公を源氏にしたのか

著:井沢 元彦

紙版

内容紹介

『源氏物語』は、藤原道長の娘である彰子が一条天皇の寵愛を得られるように、道長がパトロンとなって、紫式部に執筆させたといわれるが、物語では明らかに藤原氏と思われる右大臣家は、権力を笠に主人公の光源氏に圧力をかける敵役として描かれている。藤原氏の摂関政治の最盛期に道長が自ら出資した物語で、なぜ藤原氏を主人公にしなかったのか。
大河ドラマでは決して描かれない道長の思惑とは?
徳川の天下が確立した江戸時代に、徳川将軍の御台所に仕える奥女中が「豊臣物語」を書き「豊臣家のプリンスがライバルを倒して天下を統一する」という話を書いたらどうなると思いますか。こっそり書いていたとしてもバレれば間違いなく死刑です。しかし藤原道長は紫式部が「源氏が勝つ」物語を書いているのを、堂々と応援していて娘にも読ませていたのですよ。外国人ならこんな話は絶対信じません。そんな話が書かれること自体ありえないのですから。でも現実に『源氏物語』は書かれました。ということは外国と違う「何か」が日本にはあるということです。(「はじめに」より抜粋)

●栄華を極めた道長は何を恐れたのか
●光源氏が賜姓源氏でなければならなかった理由
●なぜ実在の冷泉帝と同名の天皇が物語に登場するのか
●光源氏が准太上天皇という最高位まで昇り詰める理由
●『源氏物語』と『平家物語』の共通点
『源氏物語』のストーリーは、明確な目的があって描かれている!

著者略歴

著:井沢 元彦
作家。1954年、愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業。TBS報道局(政治部)の記者時代に、『猿丸幻視行』(講談社)で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念する。「週刊ポスト」にて連載中の『逆説の日本史』は、ベスト&ロングセラーとなっている。
主な著書に、「逆説の日本史」「逆説の世界史」「コミック版 逆説の日本史」シリーズ(以上、小学館)のほか、『絶対に民主化しない中国の歴史』『お金の日本史』(以上、KADOKAWA)、「学校では教えてくれない日本史の授業」シリーズ、『「誤解」の日本史』『歴史から読み解く日本人論』(以上、PHP文庫)などがある。

ISBN:9784569856698
出版社:PHP研究所
判型:4-6
ページ数:200ページ
定価:1450円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ