ジャガー、テナガザルなどの哺乳類から、トビトカゲやゾウガメといった爬虫類、カブトムシ、チョウなどの昆虫、そして植物まで、希少生物を中心に、世界の森に生きる多様な生き物たちのいきいきとした生態を、独自の視点でとらえた貴重な写真集。森、とくに原生林は、多くの種が暮らせる豊かで変化に富んだ生態系を生み出し、生物多様性が成り立つ根拠となる。その森が、いま危機に瀕している。▼世界の動植物種の5%が生息する「生物多様性の島」マダガスカルでは、かつて島のほとんどを占めていた原生林が、全国土の10%以下になってしまった。「進化論」で有名になったガラパゴス諸島も、人口増で森が伐採され、外来種が入り込み、大量のゴミに埋もれ、悲鳴を上げている。絶滅した種は、二度と地上に現れない。しかし現在、年間4万種の生物が地球から消えている。かけがえのない生き物たちの危機。それは人類の危機でもあることに気づいてほしいと願う一冊。