与党・民主党に期待した日本人の望みはいま、「日米同盟の崩壊危機」を招いた米軍普天間基地の移設問題や、鳩山由紀夫氏と小沢一郎氏の政治資金をめぐる違法行為、バラまき財政による国の借金増大というかたちで、無残に打ち砕かれつつある。古い自民党政治からの脱却を訴え、政権交代をした民主党が、なぜ昔の自民党と寸分違わない「醜い政治」を国民の目に見せつけているのか。民主党を牛耳る小沢一郎氏の「手段を選ばない政治」が抱える矛盾は、いまや極限にまで達している。日本政治はいつから、こんなことになってしまったのか。本書は、1998年から今日まで、著者が小沢一郎という政治家を「真の主役」として回りつづけた日本政治の「悲劇」を分析した入魂の一冊。自民党にも民主党にもまったく期待ができないなか、われわれは政治に何を求めたらよいのか。ついに視界に入りはじめた政界再編とともに、浮上する「保守政治」の精神と新たなる戦略を描く。