一昨年、東京都東久留米市の町中を流れる黒目川の河原に、タヌキの親子がすみついた。また、ロンドンでは、市街地にまでキツネがきて、エサをあたえるべきか否かの論争がおきた。どちらも、人間の自然開発による彼らの生存エリアの減少が引き起こしたものにちがいない。▼本書は、キツネとタヌキの知られざる生活、生態を描くほか、昔からいかに深く人間とかかわってきたかを具体的な例をあげながら説くとともに、地球環境の大きな変化に警鐘を鳴らすものとなっている。▼人間にもっとも身近な動物として、昔から神社にまつられたり、歌にうたわれたりしてきたキツネとタヌキは、生身の生きものとして、今も人里の近くでけんめいに生きている。生きものの世界のおもしろさや人間のくらしの奥深さについて、いろいろなことに気づかされ、考えさせられる一冊である。▼写真とイラストが豊富に入っており、見ているだけで楽しく、また内容の理解をたすけてくれる。