ほんとうは、どうなの?
原子力問題のウソ・マコト
著:上坂 冬子
紙版
内容紹介
直径5ミリ、高さ8ミリの円柱の「プルトニウム燃料」1個でどれくらいの電力がまかなえるか、ご存じだろうか。なんと標準家庭4カ月分の電力が供給できるのである。原子力発電のためにウランを燃やすが、じつは実際に燃える部分は5%ほど。そこでウランの「燃え残り」からリサイクルによってプルトニウムを取り出して再利用しようというのが、わが国の方針である。そのプルトニウムを取り出す施設が青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場だが、施設が完成期を迎えつつあるときに、「怪文書」が流れた。ウランの「燃え残り」を再利用するより、そのまま埋めてしまったほうが国民負担が軽いという趣旨である。なぜ、そんな「怪文書」が出たのか。国策と決まったものをいまさら変更すべきなのか。原子力発電の現場を数多く見てきた著者が、専門家に話を聞いて回り、日本を騒がせている核燃料サイクル問題の核心と本質を問いただしたのが本書である。
目次
●第1章 原子力開発に「待った」なし ●第2章 核燃料サイクルの火を守れ ●第3章 母と子の原子力教室 ●第4章 世界の原子力発電所を見て ●第5章 リサイクルは決定済みである ●第6章 日本の選択は間違っていない