緊迫した医療現場の裏側で繰り広げられる杜撰な現実。それがいま白日の下に晒されつつある。医者の権威が絶対ではないことが明らかになってきた。▼そもそもある病状に対する診断と治療は一つではなく、また医者の腕前も一律ではない。患者は自分の生命を左右しかねない決定を一人の人間に委ねるべきではないのだ。患者自身の自立と傲慢な医者への警告。セカンド・オピニオンの重要性が叫ばれている。▼息子の症状を重く見た母親の直感と医者の冷淡な反応。費用対効果を盾に満足な治療を受けられない白血病患者。研究データとして即物的に患者を扱う医者の姿。ここに収められた8つの事例は憤りと悲しみを誘う。▼著者はハーバード大学医学部教授、監訳に『患者よ、がんと闘うな』の著者である近藤誠、血液腫瘍の最前線で活躍する平岡諦と、3名の医師が内部から告発する。セカンド・オピニオンという言葉を知らない人も是非これを機に、自分に置き換えて考えて欲しい。