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文庫クセジュ

脱成長

著:セルジュ・ラトゥーシュ
訳:中野 佳裕

紙版

内容紹介

節度ある豊かな社会とは

 「脱成長という語は、概念ではない。また、経済成長の対義語でもない。脱成長は何よりも論争的な政治的スローガンである。その目的は、我々に省察を促して限度の感覚を再発見させることにある。特に留意すべきは、脱成長は景気後退やマイナス成長を意図していないという点だ」(「序章」より)
 21世紀初頭に提唱された脱成長理論は、消費社会のグローバル化がもたらす破局的な未来を回避すべく、真に持続可能な社会の構想を目指してきた。
 本書は、脱成長論の歴史や論争に触れながら、脱成長の目的、消費社会から抜け出す理由、脱成長社会への移行などを提示し、この20年でヨーロッパ市民社会の中心に起きた議論を分かりやすく解説する。
 経済成長なき「節度ある豊かな社会」とは? セルジュ・ラトゥーシュ脱成長論の集大成。

著者略歴

著:セルジュ・ラトゥーシュ
1940年生まれ。フランスを代表する経済哲学者・思想家。パリ南大学(オルセー)名誉教授。著書に『経済成長なき社会発展は可能か?――〈脱成長〉と〈ポスト開発〉の経済学』、『〈脱成長〉は、世界を変えられるか?――贈与・幸福・自律の新たな社会へ』、『脱成長(ダウンシフト)のとき――人間らしい時間をとりもどすために』などがある。
訳:中野 佳裕
PhD(英サセックス大学)。専門は社会哲学、開発学、平和研究。2011年4月から2018年3月まで国際基督教大学社会科学研究所(ICU SSRI)の助手・研究員として勤務。明治学院大学国際平和研究所(PRIME)研究員、上智大学グローバルコンサーン研究所(IGC)客員所員も兼任。2018年4月より早稲田大学地域・地域間研究機構(ORIS)次席研究員/研究院講師。

ISBN:9784560510407
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:157ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年11月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA