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文庫クセジュ

コラボ゠対独協力者の粛清

著:マルク・ベルジェール
訳:宇京 賴三

紙版

内容紹介

その実態をさまざまな側面から検証

 ドイツ占領下から解放へ向かう急激な変動と混乱のフランスで、対独協力者の粛清が行なわれた。当初、粛清は政治的事実として理解されていたが、やがて大きな社会的現象として分析され、多くの人に及ぶものと考えられるようになった。「解放は皆がこぞって祝い、復讐の歓喜に酔いしれた例外的な団結の時である。そこで、最大多数の団結は、背き、名誉を汚し、裏切った者たちを排除することで固められる」「地域の人間関係に同化しない個人は、しばしば集団から離れているという理由だけで共同体からは特に怪しい嫌疑者と見なされたのである」(第一章)。
 本書は、粛清がこれまで考えられていたよりも、どれほど激しく、根深く、持続したのか、その裁きと処罰の形態を、フランス社会の粛清問題を専門とする著者が、さまざまな側面から検証する。

著者略歴

著:マルク・ベルジェール
1963年生まれ。レンヌ第二大学歴史学助教授。フランス社会における粛清問題の専門家で、現在は国際的次元における粛清問題の広がりと影響関係の比較史的研究に携わる。著書に『解放時のフランスの経済的粛清』、『カナダにおけるヴィシー―フランス人コラボのケベック亡命』、『第二次世界大戦後のヨーロッパにおける国境を越えた粛清の歴史』などがある。
訳:宇京 賴三
1945年生まれ。三重大学名誉教授。フランス文学・独仏文化論。著書:『フランス―アメリカ―この〈危険な関係〉』(三元社)、『ストラスブール―ヨーロッパ文明の十字路』(未知谷)、『異形の精神―アンドレ・スュアレス評伝』(岩波書店)、『仏独関係千年紀―ヨーロッパ建設への道』(法政大学出版局)、訳書:トラヴェルソ『ユダヤ人とドイツ』(法政大学出版局)、同『ヨーロッパの内戦 炎と血の時代1914-1945年』(未来社)、同『左翼のメランコリー―隠された伝統の力 一九世紀~二一世紀』(法政大学出版局)、オッフェ『アルザス文化論』(みすず書房)、同『パリ人論』(未知谷)、フィリップス『アイデンティティの危機』(三元社)、同『アルザスの言語戦争』(白水社)、リグロ『戦時下のアルザス・ロレーヌ』(白水社)などがある。

ISBN:9784560510322
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:152ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2019年11月
発売日:2019年11月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DDF