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この人、カフカ?

ひとりの作家の99の素顔

著:ライナー・シュタッハ
訳:本田 雅也

紙版

内容紹介

カフカは自由だ
 高校卒業試験でカンニングする、バルコニーから痰を吐く、医者を信じない、ネズミを怖がる、オリンピックでの勝利を夢見る、エイプリルフールで担がれたふりをする、サインを偽造する、ゴーストライターになる、カジノで旅費をする、悪魔になる
 この本の目次にはこんな見出しが並んでいます。もちろん、すべてカフカのこと。
 3巻にわたるカフカ伝を著し、カフカ全集の編集にも参加した著者が、日記や手紙、走り書きやサイン、出版広告、妹に宛てたポストカード、『変身』の部屋の間取り、『田舎医者』の校正刷り、アンケート用紙や遺言状、墓碑銘など、カフカに関するあらゆるモノから、この作家の魅力の数々を浮かび上がらせていきます。
 「『この人、カフカ?』は、いつもと違う文脈のなかで、いつもと違う光のなかに、カフカを浮かび上がらせる。……ひとつひとつはたいしたものではない。目立たぬものを拾い上げ、なじみのものの新しい見方を書き留め、だれかの回想のなかにあるカフカの鏡像を引用しながら、痕跡を丹念に収集しただけだ。けれどそれらが集まれば──」

著者略歴

著:ライナー・シュタッハ
1951年生。文学研究者、評伝作家。フィッシャー社元編集者。カフカに関するエッセイを多数執筆。「カフカの花嫁」展企画。カフカ伝(全3巻)刊行。批判版カフカ全集の編集に参加。
訳:本田 雅也
1964年東京生まれ。東京外国語大学大学院博士後期課程修了。ドイツ近現代文学、児童文学専攻。著書に谷川道子・秋葉裕一編『演劇インタラクティヴ』(共著、早稲田大学出版会)ほか、訳書にマルティナ・アマン「あきらめないで 白血病と闘ったわたしの日々」(徳間書店)など。

ISBN:9784560095416
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:340ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2017年03月
発売日:2017年03月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB