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美女と野獣[オリジナル版]

著:ガブリエル=シュザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ夫人
訳:藤原 真実

紙版

内容紹介

「恋愛論」としてのフェアリーテイル
 「わからないじゃありませんか」とベルはつとめて平然としたふりをして言いました。「もしかすると、私に与えられた恐ろしい運命には、それが恐ろしく見えるのと同じくらい幸福なもう一つの運命が隠れているのかもしれませんわ」(本書より)

 ディズニー映画で有名な「おとぎ話」は、本当はこんな物語だった! 美女と野獣との「めぐりあわせ」に秘められたいくつもの謎が明かされてゆく……森の奥深く、バラに囲まれた魔法の宮殿を舞台に、16歳の美少女ベルと守護妖精たちがくりひろげる華麗なるファンタジー。
 本書は、フランスの作家・ヴィルヌーヴ夫人が書いたオリジナル版にもとづいた、本邦初訳の完全版です(1740年の初版に挿絵はありませんが、今回は、ウォルター・クレインの作品を特別収録しました)。世界的に有名なフェアリーテイルであると同時に、醜さと美貌、愚かさと才気、邪悪と善良さなどがキャラクターに属性として与えられ、愛をめぐる考察が行なわれる文学作品。いわゆる民話としてではなく、意識的に恋愛心理を追究した「恋愛論」としても楽しめる一冊です。ヤングアダルト小説の読者にも配慮したルビつき。

著者略歴

訳:藤原 真実
1959年、東京生まれ。首都大学東京人文科学研究科教授。18世紀フランス文学専攻。関係論文:「「恋愛地図」で読む『美女と野獣』—連作的読解の試み」(『人文学報』第466号、2012年)、「怪物と阿呆—「美女と野獣」の生成に関する一考察」(『人文学報』第391号、2007年)主要訳書:ロベール・シャール『宗教についての異議』『軍人哲学者』『啓蒙の地下文書Ⅱ』所収(法政大学出版局、2011年)

ISBN:9784560095256
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:170ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2016年12月
発売日:2016年12月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB