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AI時代の感性

デジタル消費社会の「人類学」

著:ダニエル・コーエン
訳:林 昌宏

紙版

内容紹介

「AIは絵を描いたり音楽をつくったりできるが、自分の生成したものが美しいかどうかは判断できない。判断できるのは、感情を持つ人間だけだ。」(本書より)
ハイパー資本主義における、SNS依存社会で数値化される「個性」とは? 本書は、DXとともに「自己同一性」の揺らぎが認められる時代、デジタルには生成しえない「感情」の重要性を説く──より創造的に、対話するために。
デジタルトランスフォーメーションにともなう経済社会は、人類史上においてまさに前例のない暮らしであり、水平的かつ世俗的であろうとする社会だ。しかし、「現実の世界」は変調をきたしている。SNSでは、「ネットの向こうに生身の人間がいる」ことを忘れさせるまでに分断や憎悪が煽られる。では、どうすればいいのか。
フランスを代表する経済学者が、デジタル消費社会における人類の生き方をめぐり、クリアな視座を提供。専門の経済学はもちろん、脳科学、哲学、文学、人類学など人文学の最新研究も適宜ダイジェスト紹介しつつ、来たるべき「文明」を展望するベストセラー・エッセイ。

目次

イントロダクション
第一部 デジタル幻想
第1章 身体と心
 ターミネーター/理性と感情/デカルトの「誤り」/人工知能(AI)
第2章 愚かさと懲罰
 野生の思考/監視型資本主義
 第3章 ロボットを待ちながら
 王の死/サービス産業/考えるロボット/今世紀の課題
第4章 政治的アノミー
 人々を貧しくする経済成長/労働者の自殺/政治革命/民衆の声
第二部 現実への回帰
第5章 社会的な想像力の産物
 友達一五〇人の法則/ボノボとチンパンジー/四つの社会/世俗の時代/族内婚の勝利/ポストモダンの精神性
第6章 冬来る
 二十一世紀の危機/気候時計/依存症社会
第7章 一〇〇年後
 豊穣の世界/SFの世界に戻る
結論にかえて
 訳者あとがき
 索引/注

著者略歴

著:ダニエル・コーエン
Daniel COHEN
1953年、チュニジア生まれ。フランスの経済学者・思想家。パリ高等師範学校経済学部長。2006年、トマ・ピケティとパリ経済学校(EEP)設立。国家債務を専門とし、ボリビア、ギリシア、エクアドルなどの政府アドバイザーとしても活躍。
『ル・モンド』論説委員。著書は多数あり、多くの言語に翻訳出版されている。邦訳書に、『迷走する資本主義』(新泉社)、『経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える』、『経済は、人類を幸せにできるのか?』(作品社)、『経済成長という呪い』(東洋経済新報社)、『ホモ・デジタリスの時代──AIと戦うための(革命の)哲学』(白水社)。
訳:林 昌宏
1965年、名古屋市生まれ。翻訳家。立命館大学経済学部経済学科卒業。
主要訳書に、ダニエル・コーエン『ホモ・デジタリスの時代 AIと戦うための(革命の)哲学』(白水社)、『経済成長という呪い 欲望と進歩の人類史』(東洋経済新聞社)、ブリュノ・パティノ『スマホ・デトックスの時代 「金魚」をすくうデジタル文明論』、フランソワ・エラン『移民とともに 計画・討論・行動するための人口統計学』(白水社)、ジャック・アタリ『海の歴史』、『命の経済 パンデミック後、新しい世界が始まる』、『食の歴史 人類はこれまで何を食べてきたか』(プレジデント社)など。

ISBN:9784560093726
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:230ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年09月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UD