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ニュルンベルク裁判1945-46(上)

著:ジョウ・J・ハイデッカー
著:ヨハネス・レープ
監:芝 健介

紙版

内容紹介

本書は、1958年にドイツで初版が刊行されて以来、多くの版を重ね、「裁判開廷70周年」に合わせて2015年に新版が刊行された、定番の書だ。
著者のハイデッカーは実際に裁判を傍聴し、報道に従事したジャーナリストで、裁判資料・関連文献の研究、関係者への取材を積み重ね、臨場感あふれる筆致で本書を執筆した。
本書の特徴は、裁判で明らかになったナチ犯罪の事実を示し、その犯罪が時系列で概説され、犯罪と裁判の双方の全体像を把握することで、裁判自体の意義が理解できること、と言えるだろう。法廷の質疑応答も鮮烈だ。
デーニッツ、フランク、ゲーリング、ヘス、ヨードル、カイテル、リッベントロップ、シュペーアほか、「ヒトラーの側近たち」の犯罪を立証し、「平和に対する罪」「戦争犯罪」「人道に対する罪」に鉄槌が下される。
本書は、捜索、逮捕、尋問から裁判、判決、処刑まで、裁判に関わる様々な経緯とナチ体制の犯罪の全体像を明示し、あたかも法廷で傍聴しているかのような緊迫感に満ちている。
下巻末に監修者「解題」・年表・参考文献・人名索引、写真多数収録。

目次

緒言 オイゲン・コーゴン
「ニュルンベルク裁判」 ローベルト・M・W・ケンプナー
著者まえがき

第1部 大捜索
第1章 アードルフ・ヒトラーの射殺は認められるか?
第2章 内相ヴィルヘルム・フリック、「嘴でつつきまわすような逮捕」
ラジオ解説者ハンス・フリッチェ、ベルリンの降伏を申し出る
「被告人席には座らない」、ヨーゼフ・ゲッベルス博士
第3章 被告人第一号帝国元帥ヘルマン・ゲーリング、死を遁れて連合国の捕虜となる
第4章 カール・デーニッツ海軍元帥、政府を引き継ぐ
第5章 無条件降伏
第6章 栄光の終わり
国防軍最高司令官ヴィルヘルム・カイテル、国防軍統合幕僚参本部長アルフレート・ヨードル、軍需大臣アルベルト・シュペーア、デーニッツとともに捕虜となる
第7章 副首相フランツ・フォン・パーペン、「自分は齢をとりすぎている」
総督ハンス・フランク、自殺を図る
第8章 連合国の手に落ちる
ライヒスバンク総裁ヤルマル・シャハト、ボヘミア=モラヴィア保護領総督コンスタンティーン・フォン・ノイラート、経済大臣ヴァルター・フンク、国家保安本部長官エルンスト・カルテンブルンナー、(占領地区オランダ)全権アルトゥール・ザイス=インクヴァルト、軍需企業経営者グスタフ・クルップ・フォン・ボーレン=ウント=ハルバッハ、労働配置総監フリッツ・ザウケル
第9章 労働戦線指導者ローベルト・ライ、ディステルマイヤーと名乗る
党思想家アルフレート・ローゼンベルク、入院中逮捕
能天気な芸術家を装っていた、フランケンの指導者ユーリウス・シュトライヒャー
第10章 SS全国指導者ハインリヒ・ヒムラーの最期
第11章 外務大臣ヨアヒム・フォン・リッベントロップ、ベッドの中で逮捕される
全国青少年指導者バルドゥール・フォン・シーラッハ、みずから出頭
海軍元帥エーリヒ・レーダー、モスクワ島で待機
第12章 秘密と衝撃
副総統ルードルフ・ヘス、スコットランドへ飛ぶ

第2部 ニュルンベルクへの道
第1章 欧州某所 尋問、尋問、尋問
第2章 地の果ての潜伏場所まで……
第3章 スターリンの乾杯の辞にチャーチル、異を唱える
第4章 ナポレオンとロバート・H・ジャクソン
第5章 ニュルンベルクの独房
第6章 裁判を免れる  ローベルト・ライ、グスタフ・クルップ、マルティーン・ボルマン

第3部 権力と狂気
第1章 裁判始まる
第2章 ヒトラー、権力を掌握
第3章 流血の種子
第4章 ウィーン、一九三四年七月二十五日
第5章 ヒトラー、野望を明かす
第6章 同調しないものは消えなければならない
第7章 オーストリア併合
第8章 われらが時代の平和
第9章 水晶の夜
第10章 予行演習、スペイン

第4部 戦争
第1章 スターリンと殺人鬼
第2章 最後の望み
第3章 四時四十五分
第4章 地獄の申し子
第5章 アシカ作戦、終わりの始まり
第6章 バルバロッサ作戦

著者略歴

著:ジョウ・J・ハイデッカー
ジャーナリスト。ハイデッカーは裁判を直接、傍聴して報道した経験を活かし、裁判資料・関連文献の研究、関係者への取材を積み重ね、臨場感あふれる筆致で本書を執筆した。本書は1958年にドイツで初版刊行以来、ロングセラーを記録、2015年に「裁判開廷70周年」を記念して新版が刊行された。
著:ヨハネス・レープ
ジャーナリスト。本書は1958年にドイツで初版刊行以来、ロングセラーを記録、2015年に「裁判開廷70周年」を記念して新版が刊行された。
監:芝 健介
1947年愛媛県生まれ。
歴史学者(ドイツ現代史・ナチス研究)。
東京女子大学名誉教授。
東京大学大学院社会学研究科国際関係論博士課程修了。
主要著訳書
『ホロコースト:ナチスによるユダヤ人大量殺戮の全貌』(中公新書)
『ヒトラー:虚像の独裁者』(岩波新書)
『ニュルンベルク裁判』(岩波書店)
アリー『ヒトラーの国民国家:強奪・人種戦争・国民的社会主義』(岩波書店)ほか多数

ISBN:9784560093672
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:496ページ
定価:5800円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LB