出版社を探す

ロレンスがいたアラビア 上

著:スコット・アンダーソン
訳:山村 宜子

紙版

内容紹介

ロレンスはいかにして「アラビアのロレンス」になったのか?
 死後70年以上経った今日なお、トーマス・エドワード・ロレンスは20世紀のもっとも謎に満ちた、毀誉褒貶相半ばする人物の1人であろう。本書はロレンスの評伝だが、けっして「聖人伝」ではない。第一次世界大戦中、ロレンスをはじめアラブ世界を舞台に暗躍した4人のスパイと彼らを取り巻く人間模様から、ヨーロッパ列強が中東という壺の中に手を突っ込んでかき回すさまを描いた歴史ノンフィクションである。
 ロレンスほど有名ではないが、本書で重要な役割を果たす3人とは、表向きは大学講師だが、英国を欺くためオスマン帝国と共謀し、愛人のロシア系ユダヤ人医師を諜報活動に利用していたドイツのスパイ、K・プリューファー。ルーマニア系ユダヤ人の農学者で、オスマン帝国統治下のパレスチナで祖国建設のために奔走するシオニスト、A・アーロンソン。そして米東海岸の名門の出で、大手石油会社の調査員から米国務省の情報員に転身したW・イェールである。
 戦況によってめまぐるしく変わる彼らの立ち位置を丁寧に追い、今日の中東紛争の淵源となった時代を躍動感あふれる筆致で描いた注目の歴史大作!

著者略歴

著:スコット・アンダーソン
アメリカのジャーナリスト、小説家。アメリカ農務省の技官だった父親の仕事の関係で、台湾と韓国で育つ。長年にわたり、レバノン、イスラエル、エジプト、北アイルランド、チェチェン、スーダン、ボスニア、エルサルバドルなど、世界の紛争地を取材してきた。The New York Times Magazineのほか、Vanity FairやHarper’s Magazine、Outsideなどに寄稿している。ニューヨーク在住。主要著書 小説:Triage (1999)、Moonlight Hotel (2006) ノンフィクション:Inside the League(with Jon Lee Anderson, 邦訳『インサイド・ザ・リーグ――世界をおおうテロ・ネットワーク』社会思想社、1987年)、War Zones (1988, with Jon Lee Anderson)、The 4 O'Clock Murders (1992)、The Man Who Tried to Save the World (2000)、Lawrence in Arabia(2013、《全米批評家協会賞》最終候補作)
訳:山村 宜子
翻訳家。1946年生まれ。国際基督教大学卒業。訳書にナイジェル・クリフ『ヴァスコ・ダ・ガマの「聖戦」』(白水社)、マーティン・セリグマン『オプティミストはなぜ成功するか』(講談社)、アーサー・アッシュ『静かな闘い』、キャサリン・モーリス『わが子よ、声を聞かせて』(以上、日本放送出版協会)、アーサー・カリンドロ『あなたの人生を変えるシンプルな10のステップ』(ダイヤモンド社)、セーラ・バークリー『ジェイミー』、ボニー・アンジェロ『ファーストマザーズ』、ローレンス シャインバーグ『矛盾だらけの禅』(以上、清流出版)、マーガレット・ロック『更年期』(みすず書房、共訳)などがある。

ISBN:9784560092439
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:402ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2016年09月
発売日:2016年09月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD