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主体性とは何か?

著:ジャン=ポール・サルトル
他訳:澤田 直

紙版

内容紹介

幻の講演録、ついに刊行!
 実存主義哲学者としてはもちろん「左翼」の精神的支柱として有名な著者による、待望の新刊。
 サルトルが一九六一年の十二月にローマのグラムシ研究所で行なった講演(「マルクス主義と主体性」)がついに刊行された。フランス語では長らく未刊であったが、講演のみならず、その後の討議録もあわせて収録(フレドリック・ジェイムソンによる巻末の解説も秀逸)。
 サルトルは、一九四〇年代の後半に『存在と無』にもとづいて具体的倫理学を構想したものの、頓挫し、その草稿は『倫理学ノート』の形で残された。一方、一九六〇年に刊行された『弁証法的理性批判』第一巻における歴史や社会に関する基礎的考察を経て、一九六〇年代に入って構想されたのが「第二の倫理学」であり、『主体性とは何か』は、その序論部分に相当するものといえる。マルクス主義においては客観性が重視され、主体性が蔑ろにされがちだが、各人の行為において重要なのは「主体性の問題」であるというのがサルトルの基本的スタンスであり、本書では、仮想敵としてルカーチをとりあげてゆく――。
 マルクス主義哲学からバタイユやドゥルーズの問題系へとつながる、主体性をめぐる幻の講演録!

目次

意識と主体性
マルクス主義と主体性
ジャン=ポール・サルトルとの討議
サルトルの現代性
注記――原注 訳注/訳者解説/人名索引

著者略歴

著:ジャン=ポール・サルトル
1905~1980年。フランスの哲学者、小説家、劇作家。実存主義を樹立させた20世紀最大の思想家。フッサールのもとで現象学を学び、1938年に小説『嘔吐』で作家としてデビューして一躍名声を博す。1943年の『存在と無』の刊行で哲学者としての地位を確立。1945年にはボーヴォワールやメルロ=ポンティらと『レ・タン・モデルヌ』誌を発刊。マルクス主義にもとづいて、知識人としてのアンガージュマン(社会参加)を唱導。アルジェリア戦争においては民族解放戦線(FLN)を、キューバにおいては革命家チェ・ゲバラを支持。1950~60年代の学生運動にも多大な影響を与えた。評論に『実存主義とは何か』『文学とは何か』、小説に『水』『自由への道』、戯曲に『出口なし』『アルトナの幽閉者』など著書多数。
他訳:澤田 直
1959年生まれ。パリ第一大学哲学科博士課程修了、博士(哲学)。現在、立教大学文学部教授。著書に『〈呼びかけ〉の経験 サルトルのモラル論』『新・サルトル講義 未完の思想、実存から倫理へ』『ジャン=リュック・ナンシー 分有のためのエチュード』『サルトル読本』(編著)など。訳書にサルトル『言葉』『自由への道』(共訳)、ナンシー『自由の経験』、フォレスト『さりながら』『荒木経惟 つひのはてに』『夢、ゆきかひて』(共訳)など。

ISBN:9784560084618
出版社:白水社
判型:4-6
ページ数:206ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2015年10月
発売日:2015年10月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1DDF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 4:1DDN