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白水uブックス 220

カフカの父親

著:トンマーゾ・ランドルフィ
他訳:米川 良夫

紙版

内容紹介

幻想と現実の奇妙なブレンド

 文豪ゴーゴリの妻は空気の量によって自在にその姿を変えるゴム人形だった! グロテスクなユーモア譚「ゴーゴリの妻」。カフカの死んだ父親が巨大な蜘蛛となって現れる「カフカの父親」。音の重さや固さ、色彩、味や匂いについての考察「『通俗歌唱法教本』より」。イギリス人の船長から一年間習ったペルシャ語は実際には世界中のどこにも存在しない言葉だった……「無限大体系対話」など、カルヴィーノ、ブッツァーティと並ぶイタリア文学の異才ランドルフィの途方もない奇想とナンセンス、特異な言語感覚に満ちた短篇を集成。奇怪な幻想、残酷な寓話から擬似科学的なパロディ、さらには日常的な題材、回想記まで、自在な語り口で物語を紡ぎだす孤高の天才の不思議な世界。奇妙な乗組をのせた船の超現実主義的な航海を描く「ゴキブリの海」を追加収録した決定版傑作集。

著者略歴

著:トンマーゾ・ランドルフィ
1908-1979年。イタリア中部の町ピーコの名家に生まれる。フィレンツェ大学でロシア文学を学び、奇想や言語実験、超現実的手法を駆使した作品で高い評価を得る。短篇集『無限大体系対話』『ゴキブリの海』『剣』『幽霊』『不可能な物語』『ア・カーゾ』(ストレーガ賞受賞)、長篇『月ノ石』『秋の物語』等の他、詩集やゴーゴリ、ドストエフスキーなどの翻訳もある。
他訳:米川 良夫
1931年生まれ。國學院大學名誉教授。2006年没。訳書にカルヴィーノ『不在の騎士』『木のぼり男爵』(白水社)他。

ISBN:9784560072202
出版社:白水社
判型:新書
ページ数:280ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2018年11月
発売日:2018年11月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB