第2版出版にあたって
本書の構成と各章の概要
凡 例
第1部 フリーランスをめぐる法政策の現状
第1章 フリーランスの働き方 特徴と課題
第1節 フリーランスの働き方の特徴と問題点
1.フリーランスの働き方の実態
⑴フリーランスの定義
⑵フリーランスの人数と従事する業種
⑶フリーランスという働き方を選択した理由
⑷取引形態と特定依頼者への依存度
⑸働き方の多様性
⑹取引関係の多面性
2.フリーランスが抱える問題
⑴フリーランスが働く上での障害
⑵フリーランス保護が必要な分野
⑶フリーランスが経験するトラブル
第2節 フリーランス保護に関する政府の取組み
1.政府の取組みの経緯
2.フリーランスガイドライン
⑴優越的地位の濫用規制・下請法の適用
⑵独禁法と労組法の交錯
3.労基法等の適用
4.フリーランス法
第3節 フリーランス保護の基本的考え方と個別的課題
1.フリーランス保護の基本的考え方
⑴保護すべきフリーランス
⑵保護政策の基本的方向
2.保護すべき事項(保護の範囲)
⑴契約条件の明確化と適正化
⑵報酬の水準と支払確保
⑶就業環境整備と補償
⑷仕事喪失時の所得補償
⑸妊娠・出産・育児・介護における両立配慮(ワークライフバランス)
3.役務提供プラットフォームとフリーランス保護
4.紛争が生じた場合の相談窓口等の実効性確保
第2章 フリーランス法の目的と内容
第1節 立法の経緯
第2節 フリーランス法の概要
第3節 目的、定義、関連法令との適用関係
第1条(目的)
1.趣 旨
2.本法の保護対象となるフリーランス数
3.フリーランス法と独禁法・下請法との関係
⑴独禁法・下請法のほかに新法を制定する理由
⑵独禁法・下請法の適用関係
4.労働法との関係
⑴適用関係
⑵労働者概念の拡大及び労働者性の立証責任の転換を求める意見について
⑶労災保険特別加入制度
5.社会保障法との関係
6.国境をまたがる業務委託への適用
第2条(定義)
1.特定受託事業者
⑴定 義
⑵「従業員を使用しないもの」
⑶「従業員を使用」の確認時期と方法
⑷判断の対象(単位)
⑸同族の親族の使用
⑹再委託、派遣労働者の使用
2.業務委託
⑴業務委託の意味
⑵物品の製造・加工委託
⑶情報成果物の作成委託
⑷役務の提供委託
3.業務委託事業者・特定業務委託事業者
⑴定 義
⑵判断基準
4.報 酬
第4節 事業者間取引の適正化等
第3条(特定受託事業者の給付の内容その他の事項の明示等)
1.業務委託時の明示等
⑴趣 旨
⑵明示すべき事項
⑶本条の明示と契約との関係
⑷取引条件の明示の方法と時期
⑸業務委託時に内容が定められない事項がある場合
2.書面交付
⑴趣 旨
⑵特定受託事業者の保護に支障を生ずることがない場合
第4条(報酬の支払期日等)
1.趣 旨
2.報酬の支払期日の設定義務
3.再委託における支払期日の設定義務
4.支払期日内の報酬支払義務
⑴趣 旨
⑵支払期日内の報酬支払義務
⑶報酬支払義務の法的性質
5.再委託の場合における配慮
第5条(特定業務委託事業者の遵守事項)
1.趣 旨
2.政令で定める期間
3.特定受託事業者の責に帰すべき事由
4.違法な行為の類型
⑴受領拒否の禁止
⑵報酬減額の禁止
⑶返品の禁止
⑷通常支払われる対価に比し著しく低い報酬(買いたたき)の禁止
⑸購入強制・利用強制の禁止
⑹不当な経済上の利益の提供要請の禁止
⑺不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止
第5節 取引の適正化に向けた実効性確保
第6条(申出等)
1.趣 旨
2.規定の内容
3.申出を理由とした不利益取扱いの禁止
第7条(中小企業庁長官の請求)
1.趣 旨
2.中企庁長官の調査
第8条(勧告)
第9条(命令)
第10条(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の準用)
1.趣 旨
2.勧告の法的性質
3.勧告の内容
4.命令の内容
5.独禁法の準用
第11条(報告及び検査)
1.趣 旨
2.調 査
第6節 特定受託業務従事者の就業環境の整備
第12条(募集情報の的確な表示)
1.趣 旨
2.的確表示義務
⑴的確表示義務の対象となる募集情報の事項
⑵虚偽の表示、誤解を生じさせる表示の禁止
⑶正確でかつ最新の内容の表示
⑷募集情報の提供方法
3.募集情報提供における差別的取扱いについて
4.本条の執行体制
第13条(妊娠、出産若しくは育児又は介護に対する配慮)
1.趣 旨
2.継続的業務委託
3.配慮の内容等
4.特定業務委託事業者による望ましくない取扱い
第14条(業務委託に関して行われる言動に起因する問題に関して
講ずべき措置等)
1.趣 旨
2.ハラスメントの態様
⑴セクシャルハラスメント
⑵マタニティハラスメント
⑶パワーハラスメント
3.ハラスメントに対して講ずべき措置の内容
4.不利益取扱いの禁止
第16条(解除等の予告)
1.趣 旨
2.規定の内容
3.事前予告の例外事由 「やむを得ない事由」
4.解除理由の開示
5.本条違反の効果
第7節 就業環境整備に関する規定の実効性確保
第15条(指針)
第17条(申出等)
1.趣 旨
2.申出の法的性質
3.調 査
第18条(勧告)
第19条(命令等)
第20条(報告及び検査)
第23条(厚生労働大臣の権限の委任)
1.勧告・命令
2.報告徴収及び立入検査
第21条(特定受託事業者からの相談対応に係る体制の整備)
1.趣 旨
2.相談体制の整備
第22条(指導及び助言)
第8節 罰 則
第24条
第25条(両罰規定)
第26条
第2部 フリーランス保護の個別的課題
第1章 フリーランスの法的地位について
―労働基準監督行政における課題と対応を中心に
第1節 はじめに
第2節 フリーランス法の適用対象と実効性確保
1.特定受託事業者とは
2.フリーランス法における行政対応と相談機関
3.相談窓口・行政対応上の新たな課題
第3節 行政監督の見地から見た労働者性判断
1.労働者性概念の意義とは
2.労基署における指導権限と労働者性判断
3.労働者性判断基準の概要
4.労基法上の労働者性判断基準における各考慮要素
5.フリーランス法施行後における施策動向
6.労基法上の労働者性判断をめぐる課題とは
第4節 労働基準監督行政における監督指導実際の課題と対応
1. 労基署申告監督時における
「労働者性判断に至らなかった事案」とは
2.不当な身分的拘束と労働者性判断
3.身分的拘束が伴う偽装雇用問題への労基署対応の可能性
第5節 労働者性判断基準自体の課題への対応
1.労働者性判断基準の課題とは
2.横浜南労基署長事件最高裁判決(最一小判平8・11・28判タ927号85頁)
3.藤沢労基署長事件(最一小判平19・6・28判タ1250号73頁)
4.ソクハイ事件(労基法上の労働者性
東京高判平26・5・21労判1123号83頁)
5.業務受託従事者の労働者性判断の課題
第6節 労働者性判断をめぐる議論状況と労基法上の労働者性判断の明確化
1.労働者性判断基準に対する学説の議論状況
2.企業組織への組み入れと労働者性に関する最近の学説動向
3.事業組織の組み入れと労基法上の労働者性判断
4. 顕著な事業者性ないし事業者の独立性と労基法上の労働者性
5.労働者性判断の明確化の実現手法
第7節 労組法上の労働者とフリーランス法
1. フリーランス法における特定受託事業者と労組法上の労働者
2.労組法上の労働者性判断について
3.「 事業組織への組み入れ」などの基本的判断要素と当てはめ例
4.補充的判断要素・消極的判断要素の定義と当てはめ例
5.労組法とフリーランス法との関係性と今後の課題
第8節 おわりに
第2章 フリーランスの契約と民法ルール
第1節 はじめに―フリーランスの働き方と民法
1.フリーランスの働き方をめぐる契約上の問題
2.働き方をめぐる民法上の契約
⑴雇用契約
⑵請負契約
⑶委任契約
⑷契約の性質決定と契約法規定の意義
⑸業務委託契約の性質
第2節 フリーランスをめぐるトラブルと民法規定
1.契約の成立をめぐるトラブル
⑴契約成立時期
⑵契約内容に関する合意
2.契約の性質・内容をめぐるトラブル
⑴明確にすべき内容
⑵契約内容が不明確な場合
3.報酬支払をめぐるトラブル
⑴はじめに
⑵報酬支払と契約が中途で終了した場合の部分的報酬請求
⑶報酬の支払と成果の契約不適合
⑷何らかの事由により役務提供ができなかった場合
4.契約の終了をめぐる問題トラブル
⑴概 要
⑵任意解除・解約
⑶債務不履行解除
⑷約定解除・解約
⑸更新拒絶
第3節 安全配慮をめぐるトラブル
1.労働契約上の安全配慮義務
2.民法理論における安全配慮義務
⑴安全配慮義務の存否と社会的接触関係
⑵安全配慮義務の妥当する範囲
3.安全配慮義務の重層性
4.安全配慮義務の具体的内容
⑴身体的安全のために役務提供の環境を整える義務
⑵身体・精神の健康に配慮すべき義務
5.安全配慮義務を免責する条項
6.予見可能性
7.安全配慮義務違反を理由とする損害賠償責任の法的性質
8.安全配慮義務の履行請求
第4節 おわりに
第3章 フリーランスと経済法(独禁法・下請法・フリーランス法)
第1節 はじめに
1.「フリーランスと経済法」その視点
2.労働法と独禁法の関係性
3.フリーランス法の立法経緯・適用関係・本章の構成
第2節 フリーランスと「下請法」
1.下請法の概要・運用・私法上の効力
2.フリーランスに対する下請法違反事例
3.下請法の諸問題(極めて限定的な規制対象)
⑴資本金基準による限定
⑵役務提供委託における「自家使用(自己使用)」は下請法の対象外
4.労働プラットフォーマーへの下請法適用の可否
5.下請法改正とサプライチェーン全体の公正取引の確保
第3節 フリーランス法の規制対象
1.対象者・措置概要・下請法との比較
2.「 仲介」・「消費者からの発注」は規制対象外。継続的委託取引のみが不公正取引規制等の対象
第4節 下請法・フリーランス法の不備を独禁法で補えるか
1. 独禁法2条9項5号(優越的地位の濫用)の要件と独禁法のエンフォースメント・民事救済概説
2.優越的地位の認定に関する諸論点
⑴「発注事業者が優越的地位にある」場合とは
⑵ 検討:基本的に発注事業者はフリーランスに対して優越した地位にあるのではないか?
3. フリーランスに対し不利益を課す行為:概説
4. 契約書の不交付・曖昧な契約内容・一方的決定
⑴概 説
⑵フリーランス法3条が求める明示項目は極めて限定的
⑶ 各問題への対応
5.「 買いたたき」規制の問題点
⑴買いたたき規制の傾向
⑵「通常の報酬」が著しく低い場合と過大な業務量
6.ガイドライン「⑤⼀⽅ 的な発注取消し」の問題
7.解約及び解約違約金問題
⑴フリーランス法は中途解除の事前予告規制のみ
⑵様々な解約類型・強制・不当な要請
⑶損害賠償・解約金問題と的確表示
⑷競業避止義務
8.エンフォースメントの状況と諸問題
⑴法運用に関する諸論点
⑵フリーランス法の運用状況
第5節 フリーランスの共同行為と独禁法
1. 独禁法の観点から考える「共同行為」の必要性
⑴独禁法上の労働者の取扱い
⑵中小零細事業者、個人事業主、農民、消費者等の取扱い
2.フリーランスの共同行為について検討する際の視点
⑴労組や協同組合等を結成していないフリーランスの共同行為が原則独禁法違反となるわけではない
⑵多様な働き方が混在する市場と誤分類問題・交渉力
⑶個人事業主と労働者が混在する場合の交渉・協約のあり方
第4章 フリーランスの報酬保護
第1節 はじめに
第2節 フリーランスの報酬保護の仕組み
1.フリーランスの報酬保護の仕組みと適用関係
2.市民法上の報酬保護制度
3.経済法上の報酬保護制度
⑴特 徴
⑵優越的地位の濫用規制
⑶下請法
4.労働者類似の報酬保護制度(家内労働法)
第3節 フリーランス法の報酬保護制度
1.フリーランス法の保護の視点
⑴フリーランス法の適用対象者
⑵期間要件とその合理性
⑶優越的地位の濫用規制・下請法との規制の視点の異同
⑷フリーランス法違反行為の私法上の効力
2.「報酬」の定義
3. 報酬の額及び支払期日(取引条件)の明示義務(法3条7号)
⑴総 説
⑵報酬の額・支払期日
⑶諸経費等の扱い
4.支払期日の制限(法4条)
⑴制限の仕組み
⑵私法上の効力
5.報酬保護に関わる遵守事項(法5条)
⑴報酬の減額の禁止(2号)
⑵買いたたきの禁止(4号)
第4節 立法論的検討
1.分析の視角
2.労働法的法制度の適用対象当事者の考え方
3.差別的報酬禁止制度の可能性
4.報酬の支払確保制度の可能性
⑴報酬支払手続の規制
⑵契約条件明示義務と契約条件説明義務
5.報酬に係る生活保障制度の可能性
⑴休業補償制度の可能性
⑵最低報酬制度の可能性
第5章 フリーランスの安全衛生政策
第1節 はじめに
第2節 労働安全衛生法におけるフリーランスの位置付け
1.安衛法の目的と労働者性判断(法・政省令改正前)
2.労基署における監督指導状況(法・政省令改正前)
3.元方事業者規制とフリーランス
4.安衛法から見た労働者性判断と「一定の指示」
5.家内労働法の意義と安全衛生規定
第3節 建設アスベスト神奈川第1陣訴訟と改正政省令の動向について
1.建設アスベスト神奈川第1 陣訴訟の意義と発注者等の規制根拠
2.2023(令和5)年施行の改正政省令の概要
3.検討会の議論状況
第4節 検討会報告をふまえた法改正内容とその動向
1.検討会報告に基づく2025(令和7)年4月施行の政省令改正
2.個人事業者等の健康管理に関するガイドライン
3.2025(令和7)年通常国会における改正法の背景と概要
4.業務上災害の把握方法及び個人事業者自身の対策
5.注文者等による措置
6.改正安衛法におけるプラットフォーム事業者の位置付け
第5節 今後のフリーランスの安全衛生政策に関する若干の検討
1.安衛法上、フリーランスの保護対象拡大を行う法的根拠の整理
2.災害報告の仕組みとインセンティブ付与の必要性
3.個人事業者の安全衛生対策、過重労働防止対策の仕組み
第6節 おわりに
第6章 労災保険特別加入・医療保険
第1節 労災保険特別加入
1.はじめに
2.フリーランス保護のための特別加入制度
⑴従来の特別加入
⑵2021(令和3)年以降の特別加入の加入範囲の拡大
3.フリーランスと特別加入
⑴フリーランスと「中小事業主等の特別加入」
⑵「 中小事業主等の特別加入」と「一人親方・特定作業の特別加入」の加入範囲
⑶「 一人親方等の特別加入」と「中小事業主等の特別加入」の加入区分基準
⑷特別加入の保険給付
4.フリ-ランスの労災補償としての特別加入の問題点
⑴複数の事業及び作業の特別加入と保険料の重複納付
⑵特別加入団体の事務と加入者の費用負担
5.特別加入者の業務上外認定基準
⑴加入者の業務上外認定基準の特徴
⑵「中小事業主等の特別加入」の業務上外認定基準
⑶「一人親方・特定作業の特別加入」の業務上外認定基準
6.フリーランスの安全対策と特別加入団体
7.これからのフリーランスのための特別加入のあり方
○特定受託事業者の特別加入
8.「特定フリーランス事業」の特別加入の新設
⑴加入対象事業
⑵加入対象者
⑶既存の特別加入がない場合の業務遂行性
⑷既存の特別加入がある場合の業務遂行性
⑸「特定フリーランス事業の特別加入」の特別加入団体
9.フリーランスの特別加入保険料負担
10.特別加入団体の強化
⑴「創業支援等措置に基づく事業を行う高年齢者」の特別加入団体
⑵特別加入団体への国庫支出
⑶社会保険労務士との連携
11.まとめ
第2節 医療保険制度
1.はじめに
2.健康保険制度上の基準
⑴健康保険の被保険者基準
⑵健康保険の被扶養者
3.国民健康保険と健康保険の比較検討
⑴健康保険任意継続加入と国民健康保険加入
⑵国民健康保険組合
4.フリーランスと傷病手当金
5.フリーランスの医療保険のあり方
⑴被用者健康保険と地域保険の一元化の問題点
⑵事業主の保険料負担
⑶フリーランスの所得補足
⑷国民健康保険組合再考
6.特定受託事業者のライフリスク対策についての検討
⑴国民健康保険による傷病手当金
⑵国民健康保険による障害給付・死亡給付
⑶まとめ
第7章 フリーランスに対するハラスメント防止とワーク・ライフ・バランスの実現に向けて
第1節 はじめに
第2節 ハラスメントへの法的対応
1.雇用におけるハラスメントの法的位置付け
⑴セクハラと職場環境配慮義務
⑵マタハラ・ケアハラと不利益取扱いの禁止
⑶パワハラと精神障害
⑷ その他のハラスメント―カスタマー・ハラスメントとSOGIハラスメント
2.フリーランスへのセクハラ・パワハラに関する裁判例
⑴事実の概要
⑵判 旨
⑶本判決の位置付け
第3節 様々な境遇にある人のワーク・ライフ・バランス
1.ワーク・ライフ・バランスの基本的考え方
2.育児休業給付と雇用保険制度
第4節 フリーランス法の検討
1.フリーランス法の成立
2.ワーク・ライフ・バランス規定とハラスメント関連規定
⑴ワーク・ライフ・バランス配慮義務
⑵ハラスメント関連規定
3. ワーク・ライフ・バランス配慮義務規定とハラスメント関連規定の特徴
第5節 おわりに
第8章 プラットフォームとフリーランス保護(クラウドソーシングを含む)
第1 節 はじめに
1.プラットフォーム、プラットフォーム事業者の意義
2.プラットフォーマー(プラットフォーム運営者)に対する法規制の概観
3.プラットフォームを介した労働力取引において何が問題となっているのか
4.プラットフォーム就業とフリーランス保護の関係
5.プラットフォーム就業者とフリーランスの関係
6.当事者構造の特徴と法適用の問題
7.プラットフォームの3つの機能
8.プラットフォーム就業者の就労形態と直面している問題
第2節 各論(プラットフォーム就業者の法的位置付けと労働法上の論点を中心に)
1.偽装雇用の矯正(誤分類の修正)―「偽装雇用」と「従属的自営」の区別 ―
2.職安法の適用とその限界(フリーランス法との関係)
⑴フリーランス法と募集情報の的確表示
⑵職安法による的確表示等
3.職安法と雇用仲介事業規制の射程範囲
⑴職安法の基本構造
⑵「労働者の募集」に関する新たな規制
⑶ 2022(令和4)年職安法の改正内容のポイント
4.「職業紹介」と「募集情報等提供」の区別
⑴論点 募集情報提供事業者とプラットフォームの区別
⑵論点 募集情報等提供事業たるプラットフォームは職業紹介に該当するか
⑶論点 職業紹介と募集情報等提供との区別基準
⑷論点 フリーランスのマッチング事業者と職安法上の規制の射程範囲
⑸苦情処理体制の整備
5.闇バイト対策と的確表示(職安法5条の4、フリーランス法12条)
⑴総務省により大手SNS事業者に対する「闇バイト」の迅速削除などの要請
⑵厚労省による「闇バイト」対策の通達発出
⑶的確表示義務(法12条)違反の解釈と規制強化に伴う留意点
6. プラットフォーム就業者を雇用する仲介事業者を介在させることにより、発注者が労働法の適用を回避するケース(いわゆる偽装請負のケースで、三面関係等を利用した使用者責任の回避の問題)
⑴論点 プラットフォーム就業者の労働者性 598
⑵論点 仲介事業と発注者との関係を労働者派遣と評価できるか、さらに派遣法40条の6の適用の可否
⑶ 論点 プラットフォーマーとフリーランス間に労組法の適用はあるか?
第3節 おわりに(役務提供プラットフォーム型フリーランス保護の法政策)
第9章 フリーランスの仕事の喪失時における所得保障制度の検討
―現行雇用保険法の構造分析を基点として(付・補論)
第1節 はじめに
1.本章の目的
2.本章の主題の背景と検討に当たっての視点
3.検討の手順
第2節 現行雇用保険法の仕組み
1.雇用保険法の仕組みの特徴
2.強制加入の法構造
3.法の適用対象たる「被保険者」
4.事業主及び国の保険料負担及び財政責任
5.雇用保険法の想定する「失業」―― 基本手当の受給資格・額の決定方法 ――
⑴基本手当の受給手続
⑵雇用保険法における「失業」
⑶基本手当の額の決定方法
6.「被保険者」の範囲をめぐる解釈論とフリーランス
⑴ここまでの議論の若干の整理
⑵雇用保険法における「雇用される労働者」の解釈
⑶フリーランスへの雇用保険法の適用可能性
⑷解釈論による適用の限界
第3節 フリーランスの仕事の喪失に対する所得保障制度を考える際の課題
1.フリーランスにおける「仕事の喪失」とはどのような事象か?
2.あり得る制度設計の選択肢と課題
⑴あり得る制度設計の選択肢
⑵強制加入による法の適用(パターン🄐①)
⑶申出適用方式による適用(パターン🄐②)
⑷申出加入方式による制度加入(パターン🄐③)
⑸若干の整理と考えられる方向性
⑹その他の課題
3.フリーランスに特化した施策の必要性
⑴フリーランスの多様性と社会保険の方法の限界
⑵フリーランスとして働き続けることのできる職業生活の下支え
第4節 おわりに
〇補 論
1.雇用保険法の適用対象の拡大
2.「教育訓練受講のための新たな融資制度」の創設について
第3部 フリーランスの実態と課題
第1章 フリーランス法の適用の実態と課題―フリーランス・トラブル110番の活動から
第1節 フリーランス・トラブル110番の相談傾向
1.フリーランス・トラブル110番とは
2.フリーランス法が施行されてからの本事業の相談傾向の変化
⑴相談対象者について
⑵相談対象者の業種・年齢
⑶相談内容の傾向
3.和解あっせん(裁判外紛争解決処理手続)の実際
⑴和解あっせんの方法・特徴
⑵特 徴
4.フリーランス法違反の申出の支援
第2節 相談現場でのフリーランス法の適用の実際
1.取引条件明示(法3条)
⑴法施行後の状況
⑵フリーランス側もフリーランス法を十分活用できていない実態
⑶費用の負担について
⑷発注者の住所が明示義務の対象となっていない点について
2.報酬の支払期限(法4条)
3.禁止事項(法5条)に該当するような相談内容
⑴相談内容の傾向
⑵報酬の減額(法5条1項2号)
⑶買いたたきの禁止(法5条1項4号)
⑷不当な経済上の利益の提供要請(法5条2項1号)
⑸一方的な契約解約(法5条1項1号、同条2項2号)
4.就業環境整備
⑴的確表示義務(法12条)
⑵ハラスメント対策に関する体制整備(法14条)
⑶育児介護等と業務の両立に対する配慮(法13条)
⑷中途解除の事前予告・理由開示(法16条)
5.フリーランス法では解決できない課題
⑴労働者性の問題について
⑵競業避止義務条項
6.最後に
第2章 芸術・芸能分野におけるフリーランスの実態と課題
1.はじめに
2.対象の範囲
⑴文化芸術分野の範囲
⑵芸能従事者等の範囲
3.芸術・芸能従事者をめぐる取組みの経緯
⑴政府の取組み
⑵裁判例の動向と労働者性判断
⑶芸能団体の取組み
4.芸術・芸能従事者等の実態
⑴芸術・芸能分野の事業の特徴
⑵芸術・芸能分野の契約と当事者関係の実態
5.芸術・芸能従事者等の課題
⑴役務の特殊性
⑵労働者性の特徴
⑶事故防止と労災保険
⑷個人事業者の弱点
⑸著作権法の課題
6.おわりに
第4部 まとめ フリーランス保護の未来
第1節 フリーランス保護の国際的動向
第2節 日本におけるフリーランス保護の特徴
第3節 今後の取組みの留意点
1.偽装フリーランスへの対策
2.関係法令の重層的な適用における留意点
3.フリーランスに対する差別的取扱いの禁止