第1章 税賠とは
Ⅰ 税賠の概要
1 税賠のパターン
2 損害賠償請求が認められるためには
3 損害賠償請求の態様
4 過失相殺
Ⅱ 賠償すべき額
Ⅲ 税賠発生から解決まで
1 交渉段階
2 訴訟段階
3 紛議調停
Ⅳ パターンに応じた予防策
1 税理士のミスが明らかである場合
2 税理士の責任の有無が争いとなる場合
3 契約書による具体的なリスクヘッジの手法
第2章 税賠保険事故事例の分析
Ⅰ 消費税
1 届出書の提出失念
2 税区分の誤りの継続
3 税法の確実な理解
4 決算期に関する事前のアドバイス
Ⅱ 所得税
1 各種特例の適用誤り
2 相続に関連した申告誤り
3 上場株式等に関連する誤り
4 スポット対応が必要となる場合のリスク
5 繁忙期への対応
6 申告書の提出時期
7 不動産や株式の取得費と譲渡益
8 継続的なコミュニケーションの重要性
Ⅲ 法人税
1 優遇税制の適用漏れ
2 事前確定届出給与に係る届出書の提出失念
3 青色申告承認申請書提出失念
4 更正の請求の期限徒過
5 前期に適用していた特例や控除の適用漏れ
6 特殊法人の処理
Ⅳ 相続・贈与税
1 小規模宅地等の特例の適用
2 相続時精算課税制度選択届出書提出失念
3 土地や株式の評価の誤り
4 特定の相続人にのみ有利な分割の提案
5 円滑な資料の受領が行えない場合
6 調査があり得ることについて伝えておく
Ⅴ 事故の端緒
1 自分で気付く
2 税務署からの指摘で発覚
3 依頼者からの指摘で発覚
4 税務調査にて発覚
第3章 税賠訴訟事例の分析
Ⅰ DES事件
1 事件の経緯
2 訴訟の経過
3 時系列の詳細とミスが起こった原因
4 訴訟における当事者の主張と裁判所の判断
5 B法人の敗訴原因の分析
6 事件が起こらなかった可能性の存在
Ⅱ コンサル暴利事件
1 事件の概要
2 事件が起こった背景
3 被告税理士が行った「コンサルティング」の内容
4 専門委員の判断
5 税務コンサルティングに関する留意事項
Ⅲ タキゲン事件(税賠訴訟と税務訴訟)
1 税務訴訟における経緯
2 税賠訴訟における経緯
3 本事件が発生した原因
4 税務訴訟と税賠訴訟との関連
5 税賠訴訟予防策としての税務訴訟
6 税務訴訟後の税賠訴訟
Ⅳ 総則6項事件
1 事案の概要
2 最高裁判決の内容
3 本事件の事情と別件の検討
4 今後の相続対策コンサルティングと税理士のリスク
5 相続税申告と本事件
6 税務訴訟敗訴後の税賠訴訟のリスク
Ⅴ 責任制限条項事件
1 事案の概要
2 本事件の背景
3 責任制限条項の有効性
4 小規模宅地等の特例の適用
5 控訴審の経過および判断
6 税賠保険幹事会社の補助参加人としての参加
7 責任制限条項の無効判決を受けた今後の税理士の対応
第4章 ミスやトラブルを減らすための環境整備
Ⅰ 複数による担当・レビュー
1 届出書の提出漏れ
2 担当者の体調不良等に伴う業務の滞留
3 クライアントとのコミュニケーションの悪化
Ⅱ 品質管理および組織のレベルアップ
1 人員の配置
2 チェックシートの完備
3 レビュー担当者の配置
4 形式チェック
5 ミスのフィードバックおよび再発防止策の検討
6 職員の研修とモチベーション
7 情報漏洩防止策
第5章 トラブル予防のための行動
Ⅰ 記録に残りにくいやり取りを防止する訪問記録書
1 月次訪問と訪問記録
2 訪問記録の作成
3 訪問記録書のクライアントとの共有
Ⅱ 相談事項への対応
1 電話による場合
2 メールによる場合
Ⅲ 申告書の作成
1 把握している情報の整理
2 税務論点の検討およびその結果の記録
3 作業内容の記録
4 チェックシートを用いた確認や複数者によるレビューの実施
5 クライアントの処理に関する懸念点およびリスクの伝達
6 リスクの高い処理をクライアントが選択した際の確認書の取得
Ⅳ 税務調査への対応
1 税務調査に関する税理士とクライアントとの意識のギャップ
2 税務調査の事前準備
3 税務調査中の対応
Ⅴ 特殊な場合のリスク
1 新規クライアントの受入時
2 クライアントから正確な資料が得られない場合
3 クライアントとのコミュニケーション頻度が低い場合
Ⅵ 顧客の納得を得られるコンサルティング
1 顧客にスキームを提案する場合の留意事項
2 事業承継税制のコンサルティング
Ⅶ 効果的な証拠の残し方
1 双方の意思が表示された文書
2 当方作成後相手方へ送信した文書(当時のもの)
3 当方作成文書(当時のもの)
Ⅷ 要注意クライアントへの対応
1 要注意クライアントへの対応
2 脱税志向の納税者への説得
3 税理士側のリスクの認識
4 要注意クライアントに関する所内での情報共有
第6章 トラブル拡大回避のために
Ⅰ もしものとき
1 内容証明が届いたとき
2 メールや電話等でクレームがあったとき
3 避けるべき独力での対応
4 他人同士のトラブルに自身が巻き込まれた場合
Ⅱ 税賠事故と税賠保険
1 税賠保険の概要
2 税賠保険の加入割合
3 主契約と特約
4 支払限度額
5 税賠保険の請求
Ⅲ 事例への最適解
1 訴訟となった場合のポイント
2 本事例の発生による再発防止策の検討
●巻末資料
事故事例一覧
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