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3訂版 障害者雇用の実務と就労支援 ~「合理的配慮」のアプローチ

著:眞保 智子

紙版

内容紹介

2019(令和元)年4月施行の障害者雇用促進法の改正により、今年3月から障害者の法定雇用率は2.3%に引上げとなりました。
新型コロナウイルスの感染拡大とともに経営や雇用への影響が広がる中、時代に合った新たな方法で障害者雇用に取り組む企業も増えています。
本書は、日本の障害者雇用制度の仕組みや現在までの変遷を示すとともに、企業が障害者を雇用するにあたり何を行うべきかを解説。
また、実務で使える「合理的配慮提供プロセス」を4つのシートで障害種別ごとに例示し、採用から職場適用までの実践事例を掲載しています。

目次

第1章 日本の障害者雇用制度の仕組み
1 障害者法定雇用率制度
(1)障害者雇用促進法の位置付け―障害者基本法と障害者差別解消法―
(2)企業が障害者雇用を始めるきっかけは
(3)障害者法定雇用率制度とは
(4)障害者雇用納付金制度とは
(5)除外率制度
(6)特例子会社制度
(7)障害者雇用率達成指導
2 障害者雇用を支援する助成金制度
(1)労働局・ハローワークが窓口の助成金
(2)独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が窓口の助成金
3 障害者雇用促進法における障害者
(1)障害者の定義
(2)身体障害者
(3)知的障害者
(4)精神障害者
コラム 障害者雇用を通じて人を引き寄せる魅力ある企業に

第2章 障害者雇用促進法の成り立ちとあゆみ
1 相互扶助の原則から公的制度へ
(1)近代日本初の制度 「恤救規則」と「救護法」
(2)戦争と障害者
2 障害者雇用促進法の成り立ち
(1)最初は身体障害者の職業リハビリテーション制度から
(2)身体障害者雇用促進法の制定
コラム  ILO 条約のDisabled の邦訳
3 障害者雇用促進法と障害者雇用施策の展開
(1)事業所規模間格差とオイルショック
(2)1976年改正 法定雇用率を義務化へ
(3)1980年改正 助成金制度の拡充が図られる
(4)1987年改正 法律の名称が障害者雇用促進法に
4 障害者雇用の普及から量の拡大へ
(1)1997年改正 知的障害者の雇用が義務化される
(2)2002年改正 特例子会社にグループ適用導入・除外率廃止
(3)2005年改正 精神障害者の実雇用率カウント可能に
(4)2008年改正 短時間労働者の適用拡大
5 障害者雇用の現状
(1)過去最高を更新し続ける実雇用率
(2)ハローワークを通じての職業紹介状況
コラム 医療との連携で効果的な雇用管理

第3章  2013(平成25)年・2019(令和元)年の障害者雇用促進法改正
1 障害者権利条約と国内法の整備
(1)障害者権利条約とはどのような条約か
(2)批准に向けての国内法整備
2 障害者雇用促進法の2013 年改正
(1)障害者の範囲
(2)精神障害者の雇用の義務化に向けて
(3)差別禁止・合理的配慮提供
3  2019(令和元)年改正:官公庁の障害者雇用に関わる制度改正に注目が集まる
コラム  障害者雇用の未来を拓く若者たちに(特定非営利活動法人障がい者ダイバーシティ研究会)
コラム 2022 年春に日吉キャンパスで会いましょう

第4章 企業での障害者雇用の実践
1 障害者雇用をサポートする機関
(1)労働関連の支援機関
(2)福祉・教育関連支援機関
2 企業での障害者雇用の実践
(1)情報収集
(2)職務設計
(3)プランニング
(4)募集・採用活動
(5)職場に適応するための継続的なフォロー
3 障害者雇用で働き方改革を
(1)労働時間と日本的雇用慣行
(2)雇用創出型ワークシェアリングで環境を整える
(3)上司のマネジメント力とそれをともに支える支援力
コラム  「 障害の特性」のその先へ ―職場適応とキャリア形成のために―

第5章 企業における合理的配慮提供と障害者雇用プロセス
1 企業における合理的配慮提供と障害者雇用プロセス
(1)企業における合理的配慮提供のための4つの記録シート
(2)採用とその後のプロセス
2 企業における合理的配慮提供のための障害者雇用実践事例
(1)視覚障害のある労働者への合理的配慮提供プロセス
(2)聴覚障害のある労働者への合理的配慮提供プロセス
(3)肢体不自由のある労働者への合理的配慮提供プロセス
(4)内部障害のある労働者への合理的配慮提供プロセス
(5)知的障害のある労働者への合理的配慮提供プロセス
(6)精神障害のある労働者への合理的配慮提供プロセス
(7)発達障害のある労働者への合理的配慮提供プロセス
(8)高次脳機能障害のある労働者への合理的配慮提供プロセス
コラム  合理的配慮のエッセンスQ&A

第6章 地域で生活して働き続けるために大切な継続的なフォロー
1 なぜ今、採用後の継続的なフォローが注目されるのか
2 継続的なフォローは「職場適応支援」
(1)「 企業における合理的配慮提供のためのツール」で採用後の継続的なフォローを
(2)「 全員参加」で職場環境を整える
3 あたらしく始まった「就労定着支援」
4 採用後の職場適応支援への「refl ection paper」の活用
(1)変調を日々の仕事の中で捉えるツール
(2)「refl ection paper」の考え方と使い方
コラム 組織の枠組みを越えた画期的な検討会

第7章 障害者差別解消法への対応
―多様性を活かして誰もが暮らしやすい社会に向けて―
1 障害者差別解消法とは
(1)法律制定の経緯
(2)法律の対象
(3)法律目的と考え方 「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」は差別
2 「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」
(1)「不当な差別的取扱い」について
(2)合理的配慮提供
3 共生社会に向けて一人ひとりができること
(1)関心を持つこと
(2)声を掛けること
(3)できることを増やしてサポートの幅を広げる
コラム 多様性がイノベーションを生み出す
巻末資料 合理的配慮指針(平成27年3月策定)
おわりに

ISBN:9784539728659
出版社:日本法令
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2021年11月
発売日:2021年11月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF