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精神科の薬について知っておいてほしいこと

作用の仕方と離脱症状

他訳:高木 俊介
他訳:石原 孝二
他訳:松本 葉子

紙版

内容紹介

身体と脳の働きを変えてしまい、ときに有毒でさえある物質について、これまでほとんど語られてこなかった画期的なメッセージ!

目次

はじめに

推薦のことば――カリ・ヴァルタネン

第1章 精神医学における薬物治療の位置付け
精神疾患の本質/医療化/製薬企業およびその他の関係者

第2章 精神科の薬の働き
精神科の薬は疾患を治すのか/精神疾患は〔脳内の〕化学的不均衡によって引き起こされるのか/統合失調症、精神病状態のドーパミン仮説/薬の作用を理解するもう一つの方法:薬物作用モデル/精神科の薬のおまじない効果/長期使用の影響/薬の作用の理解の歴史/薬の作用に関するエビデンス/比較研究/動物実験/治療への影響

第3章 研究の重要性
精神科の薬に関する研究をどのように解釈するべきか/RCT(ランダム化比較試験)の重要性/ランダム化比較試験のデザイン/精神科の薬のランダム化比較試験に関する問題/薬物作用モデルによる薬の評価

第4章 抗精神病薬
抗精神病薬はどのように作用するのか/症状への効果/抗精神病薬はほんとうに必要なのか/抗精神病薬の長期間使用/症状のパターン/他の状態に対する抗精神病薬の使用/よくみられる副作用/抗精神病薬処方の潮流/いつ抗精神病薬を使うのか

第5章 抗うつ薬
抗うつ薬にはどのような効果があるのか/抗うつ薬の短期的効果/抗うつ薬の短期効果に関するエビデンスの問題点/抗うつ薬の長期使用/重度のうつ病における抗うつ薬/不安障害、強迫性障害に対する抗うつ薬の使用について/よくみられる副作用/離脱症状/抗うつ薬と自殺/持続的な副作用/抗うつ薬は有用か

第6章 躁うつ病や双極性障害に使用されるリチウムなどの薬
リチウムの歴史/リチウムおよび他の「気分安定薬」が誘発する効果/リチウムの特異性/リチウムの長期効果に関するエビデンス/他の「気分安定薬」の長期効果に関するエビデンス/リチウムと自殺/副作用/躁うつ病や双極Ⅰ型障害における薬物治療の長所と短所/他の〔Ⅰ型以外の〕双極性障害の薬物治療



第7章 刺激薬〔とくに子どもに関わる人たちへ〕
刺激薬はどのような効果があるのか/ADHDの刺激薬による治療/刺激薬の有害性/離脱と「リバウンド」について/処方される刺激薬と薬物乱用/刺激薬を使用するかどうかの判断

第8章 ベンゾジアゼピン系の薬
作用機序/不安・不眠への使用に関するエビデンス/緊急時の鎮静剤としての使用に関するエビデンス/精神病状態・躁状態(mania)での使用に関するエビデンス/副作用/ベンゾジアゼピン系の薬の使用

第9章 精神科の薬からの離脱
離脱症状の生物学的基礎/精神科の薬をやめることが及ぼす心への影響/各種の薬からの離脱/躁うつ病または双極性障害のために処方された薬からの離脱/離脱の実際

第10章 精神科の薬が役に立つのはどんなとき?
科学的な研究の役割/薬がもたらす作用/薬物治療以外の選択肢について/統合失調症あるいは精神病状態のある人々への〔薬物療法以外の〕選択肢について/精神科の薬を飲む時に主治医に尋ねるべきこと

第11章 精神科薬物療法の未来に向けて
私たちはどうやってここにたどり着いたのか/精神疾患の本質とは/精神科の薬について、最後の一言


訳者あとがき
(石原孝二・高木俊介・松本葉子・村上純一)

著者略歴

他訳:高木 俊介
ACT-K、たかぎくりにっく:精神科医
他訳:石原 孝二
東京大学教員
他訳:松本 葉子
薬剤師・精神保健福祉士

ISBN:9784535985087
出版社:日本評論社
判型:A5
ページ数:272ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2022年08月
発売日:2022年08月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ