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文化接触と政治思想

東アジアからの挑戦の諸相

著:山田 央子

紙版

内容紹介

19世紀後半は西洋由来の知識のもと近代国家形成への営みが多様に展開した。当時の思想作品を原典と照合し多彩な試みの内実に迫る。

目次

I 自由
一 〈シヴィル〉と〈ポリティカル〉の境界――明治日本における〈自由〉観再考
はじめに
1 明治九―十年における「自由論争」
2 西欧における〈civil liberty〉と〈political liberty〉
3 明治初期における〈自由〉論の諸相
むすびにかえて
二 『人権宣告弁妄』と『新聞演説自由論』の間――明治期日本翻訳本から見たベ
ンサムの思想世界
はじめに
1 『人権宣告弁妄』
2 『新聞演説自由論』
三 酒井雄三郎における「近世文明」論と社会主義批判――共和主義思想との関連
をめぐって
はじめに
1 十九世紀文明と社会問題
2 酒井におけるフランス共和主義思想の受容
3 社会主義批判の諸側面
むすびにかえて
II 国民
四 ブルンチュリと近代日本政治思想――「国民」観念の成立とその受容
はじめに
1 ブルンチュリにおける「ナショナリティ原理」論の成立
  (1)「ナショナリティ原理」をめぐる思想状況とブルンチュリ
  (2)ブルンチュリにおける「ナショナリティ原理」の自覚化過程
  (3)主要概念とその変容
2 近代日本におけるブルンチュリ
(1)受容と広がり――翻訳と読者層
  (2)加藤弘之におけるブルンチュリ受容
  (3)植木枝盛におけるブルンチュリ受容――加藤弘之の一読者として
  (4)「ナショナリティ原理」への着目とその受容
おわりに
五 日本近代国家創設期における「ネイション」像の相剋
はじめに
1 「五ヶ条の誓文」の両義性
2 「教化」と「教育」――「政策」の方向づけをめぐる相剋
3 「ネイション」像をめぐる対抗言説の構図
おわりに
1III 公論・公議
六 栗谷李珥の朋党論――比較朋党論史への一試論
はじめに
1 儒教朋党論の両義的構造
2 李珥の朋党論
3 李珥朋党論のその後
七 江藤新平の政体観に関する一考察――「左院」および「国議院」構想を中心に
はじめに
1 左院の創設から権限強化の試みまで
2 「国議院 〈Conseil d'État〉」と左院
3 フランスにおける〈Conseil d'État〉の歴史的展開とその制度的意味
おわりにかえて

著者略歴

著:山田 央子
山田 央子 (やまだ・えいこ) 青山学院大学法学部教授

ISBN:9784535587809
出版社:日本評論社
判型:A5
ページ数:420ページ
定価:6800円(本体)
発行年月日:2023年02月
発売日:2023年02月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP