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ジャーナリズムの規範理論

著:塚本 晴二朗

紙版

内容紹介

誰もが情報受発信者になりうる昨今、ジャーナリズムの役割と、なぜ日本に規範理論としてのジャーナリズム論が必要なのかを考える。

目次

序 章  ジャーナリズムと規範理論 

【第Ⅰ部 理論】

第1章 専門職教育と社会的責任論―─ジャーナリズムの規範理論研究の原点 
   はじめに
   1.専門職教育とジャーナリズム倫理学の「一時的活況」
2.プレスの自由委員会と『自由で責任あるプレス(A Free and Responsible Press)』
   3.『マス・コミの自由に関する四理論(Four Theories of the Press)』と社会的責任論
   おわりに

 第2章 リバタリアン・ジャーナリズム―─ジョン・C・メリル
はじめに
1.メリルの社会的責任論批判
2.メリルのジャーナリズム倫理学
3.実存主義ジャーナリズム
4.カール・ノルデンシュテレンクとの論争
おわりに

 第3章 リベラル・ジャーナリズム―─エドマンド・B・ランベス
はじめに
1.Committed Journalism: An Ethic for the Professionの概要
2.スティワードシップ
3.ランベスの思想的基盤:アメリカ新聞編集者協会(ASNE)原則声明
4.ランベスの思想的基盤:ジョン・ロールズ
5.ランベスの思想的基盤:ジェローム・A・バロン
6.ランベスの思想的基盤:アラスデア・マッキンタイア
おわりに

 第4章 コミュニタリアン・ジャーナリズム―─クリフォード・G・クリスチャンズ
はじめに
1.クリスチャンズの問題意識
2.啓蒙主義(Enlightenment)批判
3.自由主義(Liberalism・Libertarianism)批判
4.功利主義(Utilitarianism)批判
5.道具主義(Instrumentalism)批判
6.相対主義(Relativism)批判
7.クリスチャンズのコミュニケーション倫理学
8.クリスチャンズのトランスフォーマティブ・ジャーナリズム
おわりに

【第Ⅱ部 実践】

 第5章 プライバシー侵害―─『逆転』事件再考 
はじめに
1.権利の倫理学
2.共通善の倫理学
3.プライバシー侵害の倫理学
4.『逆転』事件
おわりに

 第6章 少年犯罪報道―─「成長発達権」を手掛かりとして
はじめに
1.実名報道の論理
2.成長発達権と権利の視点
3.少年犯罪と共通善の倫理学
おわりに

 第7章 「極化」現象―─ヘイト・スピーチを手掛かりとして
はじめに
1.国連人種差別撤廃委員会とヘイト・スピーチの法規制
2.ヘイト・スピーチと倫理学理論
3.ヘイト・スピーチ報道のジレンマ
4.ジャーナリズム倫理学の視点
おわりに

 第8章 紛争地取材―─後藤健二の事例を中心として
はじめに
1.事件の概要
2.紛争地取材に関する意見
3.旅券返納問題に関する意見
4.紛争地への渡航規制に関する意見
  5.専門職としてのジャーナリスト
6.多元的視点と新世界情報・コミュニケーション秩序の理念
おわりに

 第9章 便宜供与―─日本新聞協会「記者クラブに関する見解」小史
はじめに
1.信頼とジャーナリズム
2.便宜供与に関する規定
3.裁判所の見解
おわりに
 終 章 ジャーナリストの行為規範
はじめに
1.「真実を述べること」と「信頼をえること」
2.ジャーナリズムの定義
3.ナショナリスティック・アプローチ
4.リバタリアン・アプローチ
5.リベラル・アプローチ
6.コミュニタリアン・アプローチ
おわりに

著者略歴

著:塚本 晴二朗
日本大学法学部教授、日本出版学会会長

ISBN:9784535587588
出版社:日本評論社
判型:A5
ページ数:240ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2021年04月
発売日:2021年04月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTP2