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国連平和構築

紛争のない世界を築くために何が必要か

著:長谷川 祐弘

紙版

内容紹介

国連で平和活動の最前線に立った著者が、政策の軌跡を振り返り、何が紛争解決と予防に決定的な役割を果たすのかに切り込む。

目次

序章



第1章 国連平和構築政策の誕生──ブトロス=ガーリが志したもの

第1節 ブトロス=ガーリの志と遺産

 「平和への課題」

 「開発への課題」

 「民主化への課題」

第2節 ブトロス=ガーリの平和政策論の意義と課題



第2章 「人間の安全保障」の誕生と進化──マブーブル・ハックの構想

第1節 概念の誕生と進化

第2節 概念の展開と深化



第3章 平和維持から平和構築へ──ブラヒミ勧告と国連の新しい指針

第1節 ブラヒミ・ドクトリンの意義と限界

第2節 「保護する責任」の台頭

第3節 ハイレベル・パネル・レポートとコフィ・アナン国連事務総長の対処

 脅威・挑戦・変革に関するハイレベル・パネル・レポート

 コフィ・アナン国連事務総長の提案:全人類のための「より大きな自由を求めて」

第4節 二〇〇五年特別国連総会会議の成果文書

第5節 平和維持から平和構築への移行

第6節 国連事務局の指針案

 キャップストーン・ドクトリン

 ニュー・ホライズン



第4章 国連平和活動の政策転換──二〇一五年の三つの報告書と二〇一七年の改革案

第1節 HIPPOの政治優先策

 本質的な変革に必要な四つの重要事項

 平和達成への処方箋

 東京意見交換会の成果

第2節 国連平和構築アーキテクチャー報告書

第3節 平和のための女性のより効果的な役割を求めて

第4節 三つの報告書と東京討論会で共有された問題意識

第5節 グテーレス事務総長の国連改革案

 二〇三〇年維持可能な開発に向けての国連改革

 平和と安全保障分野の統合に向けた国連アーキテクチャーの改造

 政治平和構築局(DPPA)の創設 161 平和活動局(DPO)の創設

 「一体となった柱」アプローチ──単一の地域別政治・実践活動構造

 成果主義と現地主義に基づいた業務執行の確立

 グテーレス事務総長の国連改革案の意義と展望



第5章 平和構築と民主化──移行期正義と「法の支配」の課題

第1節 移行期正義の確立に向けて

 「起訴し処罰せよ」(Prosecute and Punish)

 人権侵害の予防

 和解と地域共同体再建のための正義

 紛争終結後社会の平和構築と民主化のための正義

 東ティモールにおける「移行期正義」

第2節 人権と法の支配

第3節 平和構築における民主主義化の動向

 民主化プロセスにおける国連の役割

 民主化プロセスにおける選挙支援の役割

 国家選挙を行うための国連の支援策

 選挙支援の形式と骨子 215 選挙の究極的な役割



第6章 紛争後の経済社会開発──持続可能な開発目標の意義

第1節 紛争と経済の相互関係

第2節 紛争克服のための「持続可能な開発」

第3節 持続可能な開発目標16:平和と包摂的な社会

第4節 「持続可能な開発」を実現できるガバナンス体制



第7章 政治文化と政治行動──指導者の役割はどう変化したか

第1節 歴史的観点からの政治文化と政治行動

第2節 平和構築における政治文化の役割

 紛争多発国家、紛争後国家における政治文化と政治行動

 集団的帰属意識の意義 271 民主主義文化の醸成

第3節 紛争後の国家指導者の心理状態と権力闘争

 平和構築の推進者と対向者の意識と関係



第8章 紛争後社会における指導者の志──「永遠なる平和」のために

第1節 『永遠なる平和のために』必要な条件とは

第2節 紛争後の社会での平和構築の核心的な要素

第3節 国家指導者と国際社会の平和構築支援者の志

 紛争後の国家の指導者の志 308 国際社会の平和構築支援者の志

 紛争後の社会の変革と指導者の役割



あとがき

著者略歴

著:長谷川 祐弘
日本国際平和構築協会理事長、元国連事務総長特別代表

ISBN:9784535587168
出版社:日本評論社
判型:4-6
ページ数:325ページ
定価:2900円(本体)
発行年月日:2018年03月
発売日:2018年03月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS