まえがき
序章 宗教と精神医学の関係を考える
1.はじめに
2.宗教と医療の出自と発展
3.医療における治療と、宗教における救済
第1章 宗教と精神保健
1.はじめに――宗教と精神医学
2.宗教と精神保健――最近における両者の接近
3.世界精神保健会議(WFMH)
4.宗教的な援助の展望と2、3の考慮すべきこと
5.まとめ
第2章 心の病気と宗教の癒し
1.癒しと救い
2.「やまい」と「いやし」
3.「やまい」か「いやし」か――憑依とその周辺
4.「やまい」から「いやし」へ――自我神話化をめぐって
5.疾病性と事例性
6.いやしの意味
第3章 大学生と宗教
1.なぜ「大学生と宗教」か
2.「大学生と宗教」の実態
3.どんな事例があるのか
4.「大学生と宗教」に関連した新しい動き
4-1. 新霊性運動(島薗)
4-2. 自己啓発セミナー
5.「大学生と宗教」をどう考えるか
6.どう対応するか
7.まとめ
第4章 宗教と社会精神医学
1.オウム真理教事件
2.オウム真理教事件以後の「宗教と社会精神医学」
2-1. マインドコントロール
2-2.教祖の人格像
2-3.青年と宗教
2-4.家族と教団
3.まとめ
第5章 非定型精神病と宗教病理
1.はじめに
1-1.精神科臨床と宗教
1-2. 本論文における非定型精神病
1-3.非定型精神病における宗教的症状の頻度
2.症例
2-1.諸家の報告例
2-2.自験例
3.非定型精神病の特徴としての意識変容と宗教的症状の特徴
3-1.非定型精神病と意識変容
3-2.非定型精神病における宗教的症状の特色
3-3.変性意識状態(altered state of consciousness)
4.まとめ
第6章 治療技術が捨てられるとき─ロボトミーの盛衰をめぐって
1.はじめに
2.ロボトミーとはどんな治療法か、またどのように発展したか
3.ロボトミーはどうして衰退したのか?
4.ロボトミーに対して、 生命倫理学的立場はどう発言したか?
5.ロボトミーの盛衰は、現代の医療技術を考える時にどのような点で寄与で
きるか?
第7章 阿闍世コンプレックスという名称に関する一考察
1.はじめに
2.阿闍世コンプレックス概念の成立と変容
2-1.『艮陵』及び『精神分析研究』と阿闍世コンプレックス
2-1-1.艮陵及び精神分析研究における古澤平作論文
2-1-2.「二論文」における阿闍世物語
2-1-3.「二論文」における阿闍世コンプレックス
2-2.「フロイド選集あとがき」と阿闍世コンプレックス
2-2-1.「フロイド選集あとがき」における阿闍世物語
2-2-2.「フロイド選集あとがき」における阿闍世コンプレックス
2-3.小此木啓吾による阿闍世コンプレックス
2-3-1.小此木啓吾による阿闍世物語
2-3-2.小此木啓吾による阿闍世コンプレックス
2-4.小括
3.仏典における阿闍世説話
3-1.「涅槃経」における阿闍世説話
3-1-1.「涅槃経梵行品」における阿闍世説話
3-1-2.「涅槃経迦葉菩薩品」における阿闍世説話
3-2.「観無量寿経」における阿闍世説話
3-3.阿闍世が登場するその他の仏典
3-3-1.「沙門果経」における阿闍世説話
3-3-2.「阿闍世王経」における阿闍世説話
3-3-3.「未生怨経」における阿闍世王説話
3-3-4.「十誦律」における阿闍世王説話
3-4.小括
4.「古澤版阿闍世物語の出典とその再構成過程」(小此木)について
4-1.はじめに
4-2.子供を持ちたい願望と堕ろしたり捨てたいという衝動との間における母
4-3.母親の葛藤に対して子供が抱く未生怨と母親への殺意
4-4.母及び子供それぞれにおける、子捨て、子殺し、あるいは未生怨をめぐ
る罪悪感
4-5.未生怨という言葉について
4-6.小括
5.まとめ
第8章 現代における苦悩と救済
1.はじめに
2.うつとうつ病
2-1.精神医学からみたうつ
2-1-1.健康なうつと病的なうつ
2-1-2. うつ病者の病前性格
2-1-3. 自殺の危機としてのうつからの開放
2-2.メランコリー:創造の源泉
2-3. 罪責感:うつ病と宗教のひとつの接点
3.病者としての治療者
3-1. 受苦と共苦
3-2. プレゼンス:ロジャース,C.の場合
3-3. サンガイ・ジウネ・コラギ:岩村昇の場合
3-4. 傷ついた癒し人:ヘンリー・ナウエンの場合
4.まとめ
第9章 「死のそなえの時期」への援助――" well dying " をめざして
1.はじめに
2.例示としての症例
3.ライフサイクル再考
4.死と死を迎えること
5.「死のそなえの時期」における心の援助
6.まとめ
第10章 カール・バルトの病気論に関する断想
1.はじめに
2.カール・バルトとその神学
3.創造論第55節「生への自由」における病気論
3-1.健康とは「力」である。
3-2.それ自体としての健康
3-3.生への畏敬
3-4.許されている健康
3-5.「裁きの前形式」としての病気
3-6.「永遠の生命の前形式」としての病気
4.まとめ
あとがき
初出一覧