Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界
著:ジリアン・テット
訳:土方 奈美
内容紹介
『サイロ・エフェクト』著者最新作!
経済予測、金融モデル、マーケティング、ビッグデータ・・・・・・
なぜ現在社会の知的ツールは、問題解決に失敗するのか?
社会科学とデータサイエンスの融合で、人類学的知見が果たすべき役割とは?
「極端な不確実性」に直面する現在、過去の延長戦で考えるのは危険だ。
FTのトップジャーナリストが、混迷の時代に必要な「幅広い視野」を解説した話題作。
●いま大注目の「人類学的思考法」とは何か?
●新型コロナで内向きになった視野を、意識的に広げる方法。
●キットカット、ネスレ、マースは、「身近な世界」に潜む「未知なる世界」からどうやってビジネスチャンスを見つけたか?
●GM破綻の教訓は、社内の「部族対立」解決に役立つ。
◆「見えていないもの」を正しく「見える」ようにする。現代社会に必須の知的ツール、人類学的思考法の使い方。
現代社会の知的ツールが、機能不全に陥っている。経済予測、選挙の世論調査、金融モデルは外れてばかりだ。こうしたツールは、世界はごくわずかな変数で分類・把握できるという前提に基づいて設計されている。視野が狭いのだ。
世界が安定していて、過去が未来の参考になる時代なら、それでもうまくいくかもしれない。だが変化の激しい時代、「ブラックスワン」「極端な不確実性」「未知の未来」に直面しているときは、狭い視野は危険だ。
ビッグデータをAI(人工知能)がどれだけ処理しようとも、そこから導き出されるのは「WHAT」だけである。事象の原因、「WHY」にはたどり着けない。
いま求められるのは、広い視野と「WHY」を突き詰める視点である。「未知なるものを身近なものに」「身近なものを未知なるものに」変化させ、隠れたパターンを見いだすツールである。
本書では人類学者のように「虫の目」で世界を視て、「鳥の目」で集めた情報と組み合わせることで「社会的沈黙」に耳を澄ます技術「アンソロ・ビジョン(人類学的視野)」を紹介する。
フィナンシャル・タイムズ紙(FT)のトップジャーナリストが執筆した話題作。
目次
まえがき もうひとつの「AI」、アンソロポロジー・インテリジェンス
第一部「未知なるもの」を身近なものへ
第一章 カルチャーショック――そもそも人類学とは何か
第二章 カーゴカルト――インテルとネスレの異文化体験
第三章 感染症――なぜ医学ではパンデミックを止められないのか
第二部 「身近なもの」を未知なるものへ
第四章 金融危機――なぜ投資銀行はリスクを読み誤ったのか
第五章 企業内対立――なぜゼネラル・モーターズの会議は紛糾したのか
第六章 おかしな西洋人――なぜドッグフードや保育園におカネを払うのか
第三部 社会的沈黙に耳を澄ます
第七章 「BIGLY」――トランプとティーンエイジャーについて私たちが見落としていたこと
第八章 ケンブリッジ・アナリティカ――なぜ経済学者はサイバー空間に弱いのか
第九章 リモートワーク――なぜオフィスが必要なのか
第十章 モラルマネー――サステナビリティ運動が盛り上がる本当の理由
結び アマゾンからAmazonへ――誰もが人類学者の視点を身につけたら
あとがき 人類学者への手紙
ISBN:9784532324483
。出版社:日経BP 日本経済新聞出版本部
。判型:4-6
。ページ数:356ページ
。定価:2200円(本体)
。発行年月日:2022年01月
。発売日:2022年01月27日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。