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監査における統計的サンプリング法

米国公認会計士協会Audit Guide準拠

訳:増田 幸一
著:米国公認会計士協会

紙版

内容紹介

内部統制監査や外部監査に不可欠な統計的サンプリングに関する米国公認会計士協会(AICPA) のガイドブック「AICPA Audit Guidance: Audit Sampling」から、サンプルの算出方法に特化して日本の会計従事者が実践で活用できる部分を抜粋し、米国資格を保有する公認会計士が解説を加えながら翻訳する。
巻末には、サンプル表を収録し、実務的で分かりやすいつくりとした。
この分野では、米国公認会計士協会のガイドブックが唯一のマニュアルとなっており、本書は実務家にとって必要不可欠な一冊となり、語学が苦手な会計専門家でも内部統制業務に活用できる。
統計的サンプリングは、専門的で類書もきわめて少ないため実践的なマニュアルとしても待望の一冊。

<まえがき>より
本書は、米国公認会計士協会 (AICPA:American Institute of Certified Public Accountants)が発行する『監査の手引き─監査サンプリング (Audit Guide─Audit Sampling)』に記載されている『監査サンプリングに係る算出方法書(Technical Notes on the AICPA Audit Guide, Audit Sampling)』から日本での実務に活用しうる部分について抜粋し、その解説と参考訳を付したものである。
本書の意図するところは、上記の『監査の手引き』に記述されているサンプリング表(Sample Table)上のサンプル数の算出過程を詳らかに説明し、監査上の統計的サンプル数の算出の拠り所を示し、以て監査実務におけるサンプル数の算出に柔軟性と合理性を与えることにある。
参考訳には、基本、監査基準委員会報告書530「監査サンプリング」(日本公認会計士協会 監査基準委員会)の用語を参照した。

目次

第1章 内部統制の評価手続における必要サンプル数の算出

1 内部統制の評価手続におけるサンプリング表
2 内部統制の評価手続におけるサンプリングの必要性
3 内部統制の評価手続における必要サンプル数の算出
3-1 概説と適用例
3-2 『算出方法書』における説明とその解説
3-3 二項分布の有用性とベータ分布との関係
3-4 前提条件としての計算要素と必要サンプル数との関係
3-5 信頼水準1-β%からの説明
3-6 過誤採択(Incorrect Acceptance)の許容リスクβ%が示すところ
4 必要サンプル数の算出──許容逸脱率の影響
4-1 許容逸脱率の概説
4-2 適用例
4-3 許容逸脱率と必要サンプル数の相関関係についての『算出方法書』における説明とその解説
5 必要サンプル数の算出──予想逸脱率の影響
5-1 概説と適用例
5-2 『算出方法書』における説明とその解説
6 必要サンプル数の算出──母集団が有限である場合
6-1 概説と適用例
6-2 母集団が有限である場合の『算出方法書』における説明とその解説
6-3 超幾何分布についての『算出方法書』における説明とその解説
7 必要サンプル数の算出──母集団が小さく頻度が低い場合
8 母集団の逸脱率の推定とサンプル数
8-1 母集団の逸脱率の推定とサンプル数の関係についての概説と適用例
8-2 『算出方法書』における母集団の逸脱率の推定の説明とその解説
8-3 母集団の逸脱率の推定値と信頼水準の関係
8-4 ベータ分布の代用としてのF分布
9 必要サンプル数の算出──過誤採択の許容リスクの影響
9-1 必要サンプル数と過誤採択の許容リスクの関係
9-2 『算出方法書』における説明

第2章 詳細テストにおける必要サンプル数の算出

1 詳細テストにおけるサンプリング表
2 詳細テストのリスク評価──リスクモデル(Risk Model)の活用
2-1 過誤採択の許容リスクβ%の意味合いとリスクモデル(Risk Model)
2-2 『算出方法書』における説明
3 必要サンプル数の算出──金額単位サンプリング(Monetary Unit Sampling)
3-1 金額単位サンプリング(Monetary Unit Sampling)による必要サンプル数の算出の概説
3-2 金額単位サンプリング(MUS)の適用例
3-3 『算出方法書』における金額単位サンプリング(MUS)による必要サンプル数の算出過程の説明とその解説
3-4 二項分布とポアソン分布の関係
3-5 金額単位サンプリング(MUS)に用いるポアソン分布とガンマ分布の関係
3-6 ガンマ関数とガンマ分布関数
4 必要サンプル数の算出──簡便的な公式アプローチ(Simple Formula Approach)
4-1 簡便的な公式アプローチ(Simple Formula Approach)の概説と適用例
4-2 『算出方法書』における簡便的な公式アプローチ(Simple Formula Approach)の説明とその解説
5 必要サンプル数の算出──MUSの信頼度係数(Confidence Factors for MUS)
5-1 MUS係数(MUS Factor)の概説と適用例
5-2 『算出方法書』におけるMUS係数(MUS Factor)の説明とその解説
6 詳細テストにおける母集団の過大計上の上限額の推定
6-1 母集団の過大計上額の推定とサンプル数の関係についての概説
6-2 『算出方法書』における推定方法の説明と解説
6-3 推定額と過誤採択の許容リスクの関係
6-4 ガンマ分布の代用としてのカイ二乗分布
7 必要サンプル数の算出──許容虚偽表示比の過誤棄却サンプリングリスクに対するアラウアンス係数(Ratio of Desired Allowance for Sampling Risk of Incorrect Rejection to Tolerable Misstatement)
7-1 許容虚偽表示比の過誤棄却サンプリングリスクに対するアラウアンス係数(Ratio of Desired Allowance for Sampling Risk of Incorrect Rejection to Tolerable Misstatement)の概説
7-2 適用例
7-3 『算出方法書』におけるアラウアンス係数の説明とその解説

第3章 サンプリング表

表A-1
内部統制の評価手続に係る統計的サンプル数 - 過大に依拠するリスク5%
(Table A-1 Statistical Sample Sizes for Tests of Controls - 5 Percent Risk of Overreliance)
表A-2
内部統制の評価手続に係る統計的サンプル数 - 過大に依拠するリスク10%
(Table A-2 Statistical Sample Sizes for Tests of Controls – 10 Percent Risk of Overreliance)
表A-3
内部統制の評価手続に係る統計的サンプリング結果の評価 - 過大に依拠するリスク5%における上限値
(Table A-3 Statistical Sampling Results Evaluation Table for Tests of Controls – Upper Limits at 5 Percent Risk of Overreliance)
表A-4
内部統制の評価手続に係る統計的サンプリング結果の評価 – 過大に依拠するリスク10%における上限値
(Table A-4 Statistical Sampling Results Evaluation Table for Tests of Controls – Upper Limits at 10 Percent Risk of Overreliance)
表C-1
金額単位サンプル数の決定表
(Table C-1 Monetary Unit Sample Size Determination Tables)
表C-2
金額単位サンプル数についての信頼度係数
(Table C-2 Confidence Factors for Monetary Unit Sample Size Design)
表C-3
金額単位サンプリング - サンプル評価のための信頼度係数
(Table C-3 Monetary Unit Sampling - Confidence Factors for Sample Evaluation)
表D-1
許容虚偽表示比の過誤棄却のサンプリングリスクに対するアラウアンス係数
(Table D-1 Ratio of Desired Allowance for Sampling Risk of Incorrect Rejection to Tolerable Misstatement)

参考文献
あとがき

著者略歴

訳:増田 幸一
1975年兵庫県神戸市生まれ。獨協大学外国語学部英語学科卒業後、事業会社、監査法人勤務を経て、現在、外資系金融機関勤務。公認会計士、米国公認会計士 (デラウェア州)。
著:米国公認会計士協会
米国における公認会計士の自主規制団体。

ISBN:9784532134877
出版社:日本経済新聞出版社
判型:A5
ページ数:200ページ
定価:3200円(本体)
発行年月日:2018年08月
発売日:2018年08月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:KF