あなたの知らない研究グレーの世界
編:榎木英介
編:田中智之
内容紹介
研究不正の事件が起きるたびに多くの方がこう思うはずです.「とんでもない極悪人がいた」と.はたしてそれは真実でしょうか? 本書では「研究不正ではないけれども好ましくない行為(研究グレー)」に焦点を当てています.「自分が犯罪なんか起こすはずがない」と思っていても,研究グレーの心配がまったくない方はどのくらいいるでしょうか.研究不正につながっている研究グレーを犯す(または巻き込まれる)可能性は誰にでもあります.本書で紹介されている多くの研究グレーの事例を知ることは,その可能性を大きく減らし,適正な研究行為を見つめ直すきっかけになるはずです.
目次
目次
▶ 総 論
〈白楽ロックビル〉
はじめに
研究上の問題行為研究グレーの全体像
第1章 実験データの取得・解析・管理の問題
1▶ 実験技術や測定機器に対する理解が不十分
〈小出隆規〉
2▶ 不適切な実験手法の採用
〈小出隆規〉
3▶ 海賊版ソフトウェアの使用について
〈浅野則明〉
4▶ 不適切な実験記録
〈飯室 聡〉
5▶ 医学系研究の実施に必要な倫理審査の手続きの不備
〈江花有亮〉
6▶ 個人情報管理の不備
〈横野 恵〉
7▶ 臨床試験登録内容の修正漏れ
〈木内貴弘 小俣文弥〉
8▶ 不適切なデータ解析
〈小出隆規〉
9▶ p-hacking
〈大塚俊昭〉
10▶ HARKing
〈大塚俊昭〉
11▶ 不適切な仮説検証
〈大塚俊昭〉
第2章 虚偽の発表
1▶ 不適切なオーサーシップ
〈山崎茂明〉
[COLUMN] 事例:ギフトオーサーシップ〈田中智之〉
事例:ゴーストオーサーシップ〈田中智之〉
2▶ 多重投稿
〈田中智之〉
3▶ 仮説に合わない結果の隠蔽
〈小出隆規〉
4▶ 検証実験の不足
〈田中智之〉
5▶ 誇大広告(Hype)
〈田中智之〉
6▶ Spin:結果の粉飾
〈宇津貴史〉
7▶ 利益相反開示の意義:大学教員と企業の関係
〈新谷由紀子〉
8▶ 利益相反の不開示:製薬企業からの寄附金等について
〈村山安寿 上 昌広〉
9▶ 競争的資金の申請における虚偽記載
〈田中智之〉
10▶ 実験方法の記載の不備
〈小出隆規〉
11▶ 履歴書の粉飾
〈田中智之〉
12▶ 質の低い論文の量産
〈鳥井真平〉
第3章 研究者としての姿勢の問題
1▶ 試料・データ提供の拒否
〈小出隆規〉
2▶ 学生,ポスドクに対する不適切な指導,監督,労働力の搾取
〈榎木英介〉
3▶ セクシュアル・ハラスメント
〈北仲千里〉
4▶ パワー・ハラスメント(bullying)
〈北仲千里〉
5▶ 不適切な動物実験
〈安居院高志〉
6▶ 査読中の論文の情報漏洩
〈佐藤 翔〉
7▶ 査読プロセスを悪用した研究成果の詐取
〈佐藤 翔〉
8▶ 攻撃的,否定的な査読
〈佐藤 翔〉
9▶ メトリクス偏重
〈小出隆規〉
10▶ カルト的な研究室運営
〈田中智之〉
11▶ 無責任な共同研究
〈田中智之〉
索 引
ISBN:9784498148482
。出版社:中外医学社
。判型:A5
。ページ数:162ページ
。定価:2800円(本体)
。発行年月日:2023年10月
。発売日:2023年10月31日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PD。