まえがき
序章 中国農業史の空間、時間、視点
一 空間――地理と自然環境
二 時間――時間をどう区分するか
三 研究の視点――何をどう考えるのか
附篇 中国農業史関連史料の解説
一章 田植って必要?――田植法略史
はじめに
一 コメの品種をめぐって
二 田植って何?
三 田植の始まり
四 陳旉『農書』の苗代作り
五 田植のかたち
六 田植法の高度化
おわりに
コラム1 江南の水利施設――古墓・史跡調査記『記憶された人と歴史』から
二章 乾燥地だって農業ができる――華北乾地農法の開発と二年三毛作
はじめに
一 華北乾地農法と『斉民要術』以前
二 『斉民要術』は語る
三 『斉民要術』を受け継いで
四 一九世紀前半の乾地農法
五 二年間で三種の作物
六 二年三毛作論争
おわりに
三章 餅はモチでなく、麺はうどんではない――『斉民要術』と『太平広記』から
はじめに
一 「餅」と「麵」の意味
二 『斉民要術』以前の「餅」をめぐって
三 『斉民要術』の「餅法」
四 唐代の餅――『太平広記』より
おわりに
補論 中国史上の蕎麦
一 唐宋時代の蕎麦/二 元代の蕎麦/三 清代『馬首農言』の蕎麦/おわりに
四章 犂のトリセツ――長床犂略史
はじめに
一 犂の図像の比較――漢代から唐代へ
二 『耒耜経』の検討
三 犂の復元と先行研究
おわりに
五章 「日常茶飯事」っていつから?
はじめに
一 茶葉の種類
二 喫茶の風の爆発的流行
三 茶葉の生産
四 茶の木の栽培法
おわりに
六章 唐の都・長安の畑から――カブラ類略史
はじめに
一 長安の野菜事情
二 カブラは近郊農業で
三 カブラ類の普及と品種改良
四 本草書にみえる分類
五 アブラナ科野菜の到達点――清代と宋・元代の絵図の比較
おわりに
七章 綺羅、星のごとし――絹織物は桑の葉でできている?
はじめに
一 桑の木の用途と養蚕
二 養蚕用の桑の仕立て方
おわりに
八章 「糞」の行方――肥料略史
はじめに
一 隋唐時代の「糞」の風景
二 王禎『農書』の肥料論から
三 陳旉『農書』の高度な肥料
四 『沈氏農書』の肥料はいろいろ
おわりに
終章 農業は永遠(とわ)に続く
はじめに
一 農業経営・農民と家族
二 唐代江南の農業経営――陸亀蒙の荘園など
三 小農民の事例――農業と養蚕
四 宋代の小農民と養蚕――『夷堅志』から
五 宋代から明代へ
おわりに――展望と残された課題
コラム2 この上なく〈自由〉な人々よ
あとがき