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莫言の文学とその精神

中国と語る講演集

著:莫 言
訳:藤井 省三
訳:林 敏潔

紙版

内容紹介

『莫言の思想と文学』に続く莫言の講演の翻訳集。莫言の講演集『用耳朶閲読(耳で読む)』に掲載された中国国内での講演録19篇と『砕語文集』に収録の「莫言八大関鍵詞(莫言に関する8つのキーワード)」、及び2011年の3・11東日本大震災の後に書かれ『文藝春秋』2012年3月号に掲載されたエッセイ「破壊の中での省察」をあわせて21編を翻訳収録する。中国国内での講演ということで、胸襟を開き、文学について多くを語っており、「庶民として書く」「作家とその創造」「私はなぜ書くのか」などは莫言の作家としての矜持がうかがえ、多くの講演は、そのまま現代中国の文芸批評ともなっている。

目次

1.私と新歴史主義文学思潮 1998年10月18日(台北図書館)
2.中国語出版人の新たな役割と挑戦 2001年3月29日(台北出版節)
3.都市体験と作家の居場所 2001年3月30日(台北出版節“作家の夜”)
4.翻訳家の功徳(くどく)は無量(むりょう) 2001年10月8日(北京大学世界文学研究所)
5. 庶民として書く 2001年10月24日(蘇州大学)
6. 作家とその創造 2002年9月(山東大学文学院)
7. 文学個性化に関する愚見 2004年8月(深圳社会大講堂)
8. 細部と真実〔神は細部に宿り、真実は細部に宿る〕 2005年4月8日(中央電視台)
9. 中国小説の伝統――私の長篇小説三作から語り始める 2006年5月14日(魯迅博物館)
10. 上海大学講演 2006年6月26日 (上海大学)
11. 莫言に関する8つのキーワード 2006年8月
12. 現代文学創作における十大関係をめぐる試論 2006年11月19日(第7回深圳読書論壇)
13. 文学と青年 2007年6月(深圳)
14. 東北アジア時代の主人公 2007年8月8日(韓国大学生訪中団)
15. 私の文学経験 2007年12月9日(山東理工大学)
16. 仏光は普(あまね)く照らす 2008年4月(「二一世紀アジア文化発展展望」フォーラム)
17. 私はなぜ書くのか 2008年6月13日(紹興文理学院)
18. 香港浸会大学「紅楼夢文学賞」を受賞して 2008年9月(香港浸会大学)
19. 人みな泣く時にも、泣かぬ人を認めるべし 2009年4月(中国文学海外伝播プロジェクト開始セレモニー)
20. 読書とは己を読むこと 2009年12月17日(人民文学出版社外国文学賞授賞式)
21. 壊滅の中での省察 『文藝春秋』2012年3月号

講演原題(年月日)一覧 
あとがき 林敏潔 
あとがき 藤井省三
人名索引

著者略歴

著:莫 言
1955年生まれ。山東省高密県(現在の高密市)の人。文化大革命(1966~76)中に小学校を中退、1976年人民解放軍に入隊。1981年に創作を始め、農村の驚異的なる現実を描き出す独特の魔術的リアリズムの境地を開いた。解放軍芸術学院卒業、文芸学修士。現在北京師範大学創作センター主任、中国作家協会副主席。代表的な長篇小説『赤い高粱』『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』などには日本語訳があり、邦訳の短篇集には『透明な人参』などがある。2012年にノーベル文学賞を受賞した。

ISBN:9784497216083
出版社:東方書店
判型:4-6
ページ数:424ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年08月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:DS