近代日本鉄道会計史
国有鉄道を中心として
著:中村将人
紙版
内容紹介
先進資本主義国である英国から戦前期の日本に伝播した「複会計システム」なる報告会計システムと固定資産会計の日本鉄道会計における展開について検証することを目的とする。
近代会計の研究では、英米の鉄道会計が取り上げられてきた。英国で鉄道業が生まれた産業革命期は近代会計生成期でもあり、その展開に鉄道会計が果たした役割は大きい。 日本でも明治維新後、複式簿記に基づく西洋式会計システムが導入され、英国会計実務の影響を受けた。特に初期の日本の鉄道では資金調達・技術の点で英国に依存しており、日本の鉄道会計を俎上に載せることには意義がある。
目次
序 章 日本鉄道会計史研究の視座
第1章 複会計システムと固定資産会計
第2章 国有鉄道会計と複会計システム
第3章 国有鉄道における固定資産会計
-「補充費」・「改良費」を中心として-
第4章 昭和初期における減価償却論争
結 章 総括
補章1 「鉄道国有化」の会計
補章2 私有鉄道における複会計システムと固定資産会計