イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学
著:牧 兼充
内容紹介
現在、米国を中心に世界では「イノベーションの経済学・経営学」に関する研究が盛んである。起業家はいかにしてどこから生まれるのか、なぜ起業家は特定の地域に集積するのか、科学技術はベンチャー企業の育成にいかにして役立つのか、といった実務に役立つ疑問について、さまざまな研究成果が生まれている。本書では、特に科学技術による新事業創造について多く扱うが、それは日本企業が、以前ほど科学技術を儲けに結びつけられなくなってきているという問題意識がある。
本書では、シリコンバレー型にとどまらない先端的なイノベーションや起業の研究について、32本の海外の学術論文(定量論文)を具体的に読み解きながら、そのエッセンスを紹介していく。ビジネスの現場では、アカデミックな知見とエビデンスを実務にどう役立てるのかという「科学的思考法」がますます重視されてきている。論文の探し方から情報の読み解き方までを学ぶ一冊としても有用である。
目次
Chapter 1 アントレプレナーシップとイノベーション
Chapter 2 定量論文の読み方
Chapter 3 イノベーションは誰が担うのか:大企業 vs. 小企業
Chapter 4 アントレプレナーはどこから生まれるのか
Chapter 5 スターサイエンティストはなぜ重要か
Chapter 6 科学技術の知は、なぜ特定の地域に集積するのか
Chapter 7 なぜ起業活動は特定の地域に集積するのか
Chapter 8 アントレプレナーの活動を促進するものは何か
Chapter 9 ベンチャーキャピタルはなぜ重要なのか
Chapter 10 インセンティブは発明とビジネス化にどの程度重要なのか
Chapter 11 大学における知財とインセンティブの関係
Chapter 12 大学発ベンチャーはイノベーションを促進するのか
Chapter 13 論文からの学び方